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磐田、勝負強さも身につけたサックスブルー。チーム一丸で3年ぶりのJ1へ【2016補強診断】

text by 編集部 photo by Getty Images

外国籍選手が大活躍。チームは勝負強さも身につけた

ジェイ カミンスキー アダイウトン
磐田を語る上でまず欠かせないのがジェイ・ボスロイド(左)、カミンスキー(中央)、アダイウトン(右)の存在【写真:Getty Images】

 福岡の猛追を受けたとはいえ、磐田の戦いぶりも昇格チームに値するものだった。ラスト13試合を無敗で乗り切ったのはその証左といえるだろう。

 一昨季のプレーオフで喫した悔しすぎる敗戦を糧に、磐田は勝負強さを身につけた。2014年は一度もなかった逆転勝利が昨季は7度を数えた。逆境を跳ね返す力がチームに醸成されていった。

 磐田を語る上でまず欠かせないのがカミンスキー、アダイウトン、ジェイという3人の外国籍選手の存在だ。

 それぞれが傑出したパフォーマンスを見せたことが、チーム力アップに繋がったのは間違いない。守護神のカミンスキーは第39節・東京V戦のPKストップに代表されるように、絶体絶命のピンチからチームを何度も救ってきた。

 アダイウトンはいい意味でブラジル人らしくない性格で、献身的なプレーでチームの駒としても機能。そして爆発的なスピードを活かした突破から次々と相手の守備を切り裂き、17得点を決めた。

 そしてジェイは高さ、強さ、決定力などあらゆる面でJ2を超越したレベルのプレーを披露。20ゴールを挙げ、リーグ得点王を獲得した。彼が最前線にいるだけで対戦相手のストレスは相当なものだったはずだ。

 そんな彼らの活躍に引っ張られるように、日本人選手たちも日に日に成長した姿を見せた。終盤にかけて主力に定着した川辺駿は的確な配球でチームを動かし、機を見た攻撃参加で貴重なゴールも奪った。また小林祐希は最終節の大分戦で劇的な勝ち越し弾を奪うなど、ここ一番というところで力を発揮した。

 さらにボランチと左SBを務めた宮崎智彦、右SBで印象的な働きを見せた櫻内渚といった中堅選手も奮闘し、一人ひとりがチームになくてはならない存在となった。

 そして、チームの成長が最も感じられたのが大分との最終節だ。一昨季のプレーオフ準決勝では、山形のGK山岸範宏にゴールを決められると選手たちに反撃の力は残っていなかった。だが、この大分戦では90分に同点弾を浴びても気落ちすることなくすぐに試合を再開し、小林のゴールに繋げた。この一戦に象徴されるように、磐田は最後まで諦めない姿勢をピッチの中で見せられるようになった。

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