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甲府、主力流出を止められず。佐久間体制2年目は継続路線も一歩間違えば崩壊の危険性【2016補強診断】

text by 編集部 photo by Getty Images

ベテランが攻守に奮闘。原点回帰で3年連続残留つかむ

佐久間悟
佐久間悟監督【写真:Getty Images】

 2015年の甲府はベテランの活躍が目立った。最終ラインの山本英臣、土屋征夫、津田琢磨の3人は合計で100歳を超え、チーム得点王のバレーもいまや大ベテランの域。シーズン序盤に再契約した38歳のマルキーニョス・パラナもいぶし銀の活躍で中盤を支えた。

 前線では阿部拓馬が持ち前の打開力で攻撃を牽引し、ルーキーの伊東純也もブレイクするなど、監督交代後はあらゆる要素がうまく絡み合っていた。また途中加入のバレーは衰えぬ決定力を披露し、救世主として君臨する。

 佐久間監督は城福氏の作り上げた流れを踏襲し、堅守速攻のスタイルに立ち返って低迷するチームを再び軌道に乗せた。2013年のパトリックに始まり、2014年の盛田剛平、2015年のバレーと、いわゆる“電柱系FW”が活躍したのも偶然ではないはずだ。

 しかし成功の裏にあった失敗は大きい。樋口監督招聘だけでなく、鳴り物入りで獲得した助っ人外国人のうちブルーノ・ジバウが開幕前に、ウィリアム・エンリケが開幕直後に退団。アドリアーノも期待を大きく裏切り7月に解雇された。

 また例年同様主力が大量に流出した。佐々木翔が広島へ、クリスティアーノも柏へレンタルされ、水野晃樹と青山直晃も新天地へと旅立ち、困難なチーム作りを強いられている。予算規模を考えれば仕方のないことだが、これもチーム作りを難しくする要因となった。

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