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ベイルはロナウドを超えるのか。レアルに不可欠な献身性。“100億コンビ”の真逆のスタイル

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ベイルが未だロナウドを超えられない大きな要因とは

ロナウド
ベイルと比較されるクリスティアーノ・ロナウド【写真:Getty Images】

 もちろんロナウドのプレーは悪いということは全くない。それは1シーズンで40得点を奪い、最高の名誉であるバロンドールも受賞していることがその証明である。

 しかし、チームがチームとして機能するためにはベイルのような選手が不可欠となるだろう。

 実際、今季のデータを見るとアシスト数は同じ9だが出場試合数はロナウドが全30試合でベイルは18試合。1試合平均で見ると、ロナウドが0.3回でベイルが0.5回。これはリーグトップの12アシストを記録しているバルセロナのスアレスの1試合平均0.4回をも上回っている。

 さらに1試合平均のチャンスメイク数ではロナウドの1.7回に対してベイルは2.4回。一方で1試合平均のゴール数はロナウドが0.9点でベイルが0.8点。よりチームプレーを重視しているベイルだが、得点率ではロナウドとさほど変わらない数字を残している。

 ただ、ロナウドがベイルを大きく上回る重要なポイントがある。それは健康であること。ロナウドが負傷を理由に欠場したのは、昨シーズンの14年8月31日にまで溯る。前線の当たりの厳しいポジションで、かつ全チームが徹底マークを貼る存在でありながら負傷に耐える頑丈な肉体は、お金を出してでも手に入れたいものだろう。

 この日のセビージャ戦でもベンゼマの先制ゴールをアシストするなど、チームとしてチャンスを生み出す動きをしつつ、自らも得点を決めて1ゴール1アシストを記録したベイル。

 今季のパフォーマンスを見る限り、1シーズンを負傷なく過ごすことができれば、ロナウド、メッシ、ネイマール、スアレスと共にバロンドールを競う存在にもなれるはずだ。

 ただ、その時こそマドリーには軋轢という歓迎できない話題も取り沙汰されることが予想されるが…。

(文:海老沢純一)

【了】

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