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レアルはどのようにバルサに勝ったのか。明暗分けた中盤。ジダンが知る“マケレレ問題”

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

ブスケツを潰し、バルサを抑えた中盤の守備力

 マドリーは、バルサの中盤に対してスペースを埋めてパスコースを消すポジショニングで対応。各選手は自身のマークする選手にボールが渡ると一気にプレスをかけ、ボールを奪えば周囲の選手も即座にカウンターへの態勢に切り替えた。

 ジダン監督は、就任当初から敵陣でボールを持ち主導権を握る戦いをメインとしている傾向にあったが、このクラシコを取るためにある意味では自らの理想を捨て、現実を選んだと言える。

 マドリーの中盤は、特にバルサのアンカー、ブスケツに対して強い意識を持っていた。バルサはどのエリアを使い、どの攻撃パターンで点を狙うのか、その選択権はブスケツが握っている。つまり、ブスケツを潰せばバルサの攻撃はスタートを切ることができない。

 ブスケツがマドリーの徹底マークによって自由を封じられたことで、バルサの攻撃はスムーズにいかず、右ウイングのメッシがほぼトップ下といえる位置まで絞り、ボールを受けるために下がる展開を強いられた。

 本来バルサのサッカーはメッシとネイマールの両ウイングがサイドに張り、そこから中へと切り込んでいくことで相手の守備網を切り裂いている。メッシのプレーエリアを見ると、ピッチ中央が86.69%と圧倒的。本来の持ち場である右サイドが7.22%となっていた。

 その結果、支配率ではバルサの66.5%に対してマドリーは33.5%と大きく下回りながらも作り出したチャンス数はともに10回。シュート数もともに14回で、枠内シュートに限ればバルサの3回に対して6回と上回っていた。

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