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岡崎慎司、奇跡的な優勝目前も「悔しい」。レスター1年目で味わった“屈辱”【現地レポート】

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

岡崎が感じたチームメイトとの差

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岡崎はチームメイトのマハレズ(右から2人目)とヴァーディー(一番左)の差を痛感した【写真:Getty Images】

 前節のスウォンジー戦後もそうだった。スコアシートに自身の名前は載らなかったものの、エースのジェイミー・ヴァーディーを欠いた試合で4-0と大勝。岡崎も2トップの一角を担い、勝利に貢献していた。

 「チームが勝つのには貢献できたけど」と前置きしたうえで、後半23分に廻ってきたチャンスを決めきれなかったことを悔やんだ。DFがクリアし損ねたボールが足もとに入り、岡崎は切り返して左足でシュート。フリーの状態だったが、結果的にふかしてしまい、大きく枠を外した場面だった。

 「決めるやつはああいうのも簡単に決めちゃう。リヤド(マハレズ)の先制点なんかもそう。あれ、全然簡単じゃない。でも当たり前のように決める。ああいうの見てても、自分とヴァーディー、そしてリヤドとの差はそれに尽きると思う」

 「(自分のシュートは)ワトフォード戦でリヤドが決めた時と同じようなシュートだった。左に持ち替えて、狙いすましたような。しかし僕にはあそこまでの余裕はなかった。(プレーの)選択もそうだし。自分の実力が、やっぱり実力不足だなって」

 開幕前は、フレンドリーマッチでなかなか勝てないチームの姿を目の当たりにして、危機感を感じていた。だが蓋を開けてみれば、残留争いをするはずのチームは思いがけずに優勝争いを続けて、ついに残り1勝の位置までたどり着いた。それでも、岡崎にとってイングランドは、新たな挑戦意欲を沸き立たせるためにやってきた場所であり、置かれた状況は違えども結果的には予想通りの展開で1年目を過ごした。

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