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“ロシアのレスター”にドーピング疑惑でFIFAが調査へ。シャラポワも使用した禁止薬物処方の疑い

text by 編集部 photo by Getty Images

ロストフ
ロシアのロストフ【写真:Getty Images】

 国際サッカー連盟(FIFA)は、ロシア・プレミアリーガのロストフにドーピング疑惑が浮上しているとして調査を進めていると『AP通信』が報じている。

 ロストフは、残り2節の時点で首位に立つCSKAモスクワに勝ち点2差の2位につけている。昨季はリーグ戦を15位(全16チーム)で終えて辛うじて2部入れ替え戦プレーオフを勝利して残留を決めたチームである。

 しかしながら、昨季の低迷から今季は優勝を狙える位置にいることで、今季のイングランド・プレミアリーグで奇跡のリーグ優勝を果たしたレスター・シティになぞらえて“ロシアのレスター”とも呼ばれている。

 FIFA医療チーフのジリ・ドヴォラク氏は『AP通信』に対して「我々はロストフにドーピング検査を行うことを発表した。今日(※)の先発選手の11人全員に対して検査を行った。サンプルはヨーロッパで公認されている研究機関で検査される」と述べている。

(※)現地時間11日に行われたディナモ・モスクワ戦。3-1でロストフが勝利

 今回使用が疑がわれているのは、メルドニウムというラトビアの製薬会社が製造している薬品で、狭心症や心筋梗塞などの心臓病の治療薬である。

 最近ではロシア人女子テニスプレーヤーのマリア・シャラポワが使用した結果、陽性反応が示されたことでも知られている。

 世界的に流通している国は少ないが、ロシアでは使用が恒常化しており、他競技のスポーツ選手でも使用されることが多々ある。しかし、昨年9月に世界反ドーピング機関(WADA)はドーピング禁止リストに追加しており、現在は使用禁止となっている。

 米『ABCニュース』は、ロシア国内では昨季大きく低迷したチームが今季になって優勝争いを演じていることでメルドニウム処方への疑念を抱く者が多くおり、今回の調査へと発展したと伝えている。

【了】

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