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EURO2016 8年前

EUROで激突。隣国打倒に燃えるウェールズとプレッシャーかかるイングランド。英国人だから分かる複雑な心情

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

58年待った国際舞台。プレッシャーは無い

 同じくウェールズ代表のレジェンドである元GKネビル・サウスオールも、スロバキア戦こそが特に警戒すべき一戦だと指摘している。

「大きなプレッシャーのかかる試合だ」と、ウェールズ代表最多キャップ記録を持つサウスオールは『ザ・ミラー』に語った。

「初戦は特に重要だ。ここで勝利か引き分けに持ち込めるかどうかだ。敗れることは許されない。イングランドと対戦することは忘れてしまったよ。その試合のことはその時が来たら考えよう。

 ウェールズ国外では誰もがイングランドの勝利を予想していると思うが、我々にとっては歓迎すべき立場だ。イングランドにプレッシャーがかかればかかるほどやりやすくなる。私はそう思うよ」

 ベイルと仲間たちには何も失うものはない。そのプレッシャーの無さを、また別の元ウェールズ代表選手も強調している。

「ウェールズの国全体が楽しみにしているよ。58年間待ったことだからね」と『BBC』に語ったのは、元アーセナルFWのジョン・ハートソンだ。

「プレッシャーがかかるのは、W杯でも酷い戦いをしてしまったイングランドの方だ。ウェールズにプレッシャーは無い」

 歴史的な勝利と誇りを手にするチャンスであり、何が何でもロイ・ホジソンのチームを破りたいという思いがウェールズにあることは間違いない。イングランドの側も、隣国に敗れたとすれば立ち直るのに長い時間を要する結果となることは理解している。

(文:ショーン・キャロル)

【了】

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