EUROで激突。隣国打倒に燃えるウェールズとプレッシャーかかるイングランド。英国人だから分かる複雑な心情

EURO2016では組み合わせの妙でイングランドとウェールズが同組になった。隣国同士の対戦には、他とは違う様々な心情が重なり合う。国際舞台の常連であるイングランドと58年ぶりとなったウェールズはどのような思いなのか。イングランドに生まれ育った記者が迫る。(文:ショーン・キャロル)

2016年06月10日(金)15時02分配信

text by ショーン・キャロル photo Getty Images
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イングランドとウェールズ。“隣国”がEUROで激突

クリス・コールマン
ウェールズ代表のクリス・コールマン監督【写真:Getty Images】

 EURO2016がいよいよ開幕する。今回から出場国が24ヶ国に拡大されたことで、これまで出場の機会がなかったアルバニアやアイスランド、北アイルランドといった国々もパーティーに参加することになる。

 ウェールズも今回初めて予選突破を果たしたチームの一つだ。58年ぶりの出場となる主要国際大会ではグループBに入り、隣国イングランドと激突するという非常に楽しみな抽選結果を引き当てることになった。

 過去にウェールズが一度だけ国際大会に出場したのは、はるか遠い1958年W杯。この時は準々決勝でブラジルと対戦し、17歳のペレに決勝点となるW杯初ゴールを許して1-0で敗れる結果に終わった。だが、大舞台の常連チームではないにも関わらず、「ドラゴンズ」はフランスで存在感を発揮することができると英国人の私は静かな自信を抱いている。

 ガレス・ベイルをチームに擁していることは、もちろんその楽観論の重要な一因だ。彼ほどの独特な能力を持った選手の存在は、どんなチームにとっても後押しとなることは間違いない。

 だが、クリス・コールマン監督のチームが決勝トーナメント進出の可能性に期待を抱くことができるのは、世界最高額の選手を頼りにできるという事実だけが理由ではない。スウォンジー・シティの勇士アシュリー・ウィリアムズや、アーセナルのスター選手アーロン・ラムジーといった面々もチームのクオリティを高めている。

 ウェールズの代表選手23名のうち、21人までもがイングランドのリーグでプレーしている。例外はレアル・マドリー所属のベイルと、スコティッシュ・プレミアリーグのインバーネス・カレドニアン・シスルに所属する第3GKオーウェン・フォン・ウィリアムズの2人だけだ。そのこともイングランド戦にさらなるスパイスを加えており、素晴らしい雰囲気の中での試合となることは間違いないだろう。

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