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EURO2016 8年前

アイスランド、必然だったイングランド戦の勝利。ぶれないスタイルと“あるデータ”が下馬評を覆す

text by 小澤亮太 photo by Getty Images

プランなきホジソン監督

ロイ・ホジソン
明確なプランを示せなかったホジソン監督【写真:Getty Images】

 イングランドはボールは保持するものの、アイスランドが敷く4-4-2のブロックの外側でパスを回すことに終始。両ウイングのスターリング、ダニエル・スターリッジが中に侵入し、ルーニーやデレ・アリが前線へ。サイドの崩しはダニー・ローズ、カイル・ウォーカーに託すというシーンが多く見られた。

 ペナルティエリアの幅で”交通渋滞”が起こっており、お互いがお互いの使いたいスペース、したい動きを潰し合っていた。クロスが入っても全員が同じような動きを繰り返した。ゴールを奪うための絵をチームとして描くことができていなかった。

 キャプテンのルーニーを中心に、若手の才能豊かな選手が多数揃っていた今大会のイングランド。ロイ・ホジソン監督は結局最後まで組織的な攻撃を見せることができず、個人の能力、ひらめきに頼った。2トップを採用するなどのシステム変更も含めて試合中の修正能力も乏しかった。

 今大会の23人のメンバーにホジソン監督はジョーダン・ヘンダーソン、ロス・バークリー、ジャック・ウィルシャー、ジェームズ・ミルナーと同じようなタイプの選手を揃えた。どのようなシチュエーションで彼らを起用するという発想だったのだろうか。

 アディッショナルタイムにはガリー・ケイヒルを前線に上げ、パワープレーを仕掛けた。それならば屈強なDFたちが立ち並ぶプレミアリーグで圧倒的なフィジカル、ヘディングの強さを見せていたウェスト・ハムのアンディ・キャロルのメンバー入りも検討すべきだったはずだ。

 試合終了後にホジソン監督の解任が発表されたが、当然の判断であろう。

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