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EURO2016 8年前

アイスランド、必然だったイングランド戦の勝利。ぶれないスタイルと“あるデータ”が下馬評を覆す

text by 小澤亮太 photo by Getty Images

戦い続け、人びとを感動させるアイスランド

アイスランド
準々決勝進出を決めたアイスランド【写真:Getty Images】

 一方のアイスランドはスターティングイレブンをグループステージ3戦から変更せず、ラーシュ・ラガーベック監督(スウェーデン代表監督時代を含めてイングランドと5戦負けなしとなった)が作り上げた4-4-2のコンパクトな守備からのカウンターでイングランドまで撃破した。

 ただ人を掛けて守るだけでなく、チームとして組織的に守備をし、カウンターやセットプレーでイングランドを脅かし続けた。後半はゴールを奪うことができなかったが、チャンスも作っていた。

 アイスランドの戦いぶりは人々を感動させる。全員が走り切り、全員が球際で激しく戦う。試合終了直後に選手たちがサポーターのもちへ走っていき、それに応える拍手。スタッフ、登録メンバー全員とサポーターとのセレブレーション。サッカーというスポーツの素晴らしさを改めて感じさせてくれた。

 準々決勝に進出したアイスランド。対戦相手はホスト国フランスだ。自分たちのスタイルを貫き通し、どこまで戦うことができるのか。興味は尽きない。

 イングランドとアイスランドの今大会に向けたアプローチや監督が授けたチームとしての戦い方やプランニング、選手たちのモチベーション。アイスランドはすべてを含めた“チーム力”でイングランドを上回った。アイスランドの勝利は“偶然”などではなく“必然”だった。

(文:小澤亮太)

【了】

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