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EURO2016 8年前

ポルトガル、C・ロナウド負傷交代乗り越え悲願のEURO初制覇。ついに手にした成功体験

text by 青木務 photo by Getty Images

テクニカルエリアで仲間を鼓舞したC・ロナウド

 ポルトガルはのらりくらりとボールを繋ぎながらナニ、マリオ、クアレスマ、レナト・サンチェスが打開を試みる。しかし、ポイントゲッター不在のチームはフィニッシュに持ち込むことはできない。

 試合は延長戦に突入。90分で試合を終わらせるチャンスがフランスには何度もあっただけに、ポルトガルに先制を許したことは痛恨だっただろう。

 途中出場のエデルは、フランスのDFコシェルニーに引っ張られながら強引に剥がして右足一閃。決定機に何度も沸いたこの日のスタッド・ド・フランスだったが、ようやくネットが揺れたのは延長も佳境に向かう109分のことだった。

 悲しみの涙を流しながら交代したロナウドは、足を引きずりながらテクニカルエリアで監督と共に仲間を鼓舞した。優勝が決まった瞬間、今度は嬉し涙を流しながらチームメイトと熱い抱擁を交わした。

 グループリーグで3試合連続ドローながら決勝トーナメントに進出。出場国が16から24に増えていなければ、早々に大会を去るところだった。

 その後の歩みを見ても、90分での勝利は準決勝のウェールズ戦のみ。そして、この決勝も延長後半にゴールが生まれた。こうした結果だけを見れば、優勝に値する国は他にあったのかもしれない。

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