捏造されるメッシの言葉。ワールドサッカー誌のエアインタビュー疑惑、徹底追及

7月6日に発売した『フットボール批評issue12』(カンゼン)では、「エアインタビュー撲滅キャンペーン第3弾」と題して、田崎健太氏がワールドサッカー誌のエアインタビュー疑惑を追及している。その一部を抜粋して掲載する。(取材・文:田崎健太 『フットボール批評issue12』一部抜粋)

2016年07月12日(Tue)8時00分配信

text by 田崎健太 photo Getty Images
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サッカーメディアに蔓延する捏造記事

クリスティアーノ・ロナウド リオネル・メッシ
メッシなどの海外有名選手のインタビューは簡単にとれるものではない。それが日本のメディアでこれだけ露出するのはなぜなのか…【写真:Getty Images】

「捏造記事を許すな」と題した『フットボール批評10』の記事は大きな反響を呼んだ。これは『欧州サッカー批評11』(双葉社)に掲載されていたFCバルセロナ監督のルイス・エンリケの一問一答のインタビューは架空取材――エアインタビューである疑いが強いという内容だった。

 このエアインタビュー疑惑は、インターネットメディアの他、ラジオ番組でも取り上げられることになった。サッカーと関係のない、一般誌の編集者や記者も興味を示しており、筆者も度々詳細を尋ねられたものだ。

 その反応は面白い程、似通っていた。

――あの記事はたまたまインタビューしていなかっただけで、過去には何らかの形で取材は行われていたのではないか?

 彼らがそう考えるのも理解できる。

 編集という作業は、取材データを“売り物”として整える仕事でもある。例えば、人が話した内容をそのまま原稿にすると、矛盾が出てきて文意が乱れることもある。そこで言葉遣いを改め、順序を入れ替える。

 だから、捏造記事――エアインタビューも編集作業の延長ではないのか、と。

 良心的な編集者、書き手は、記者会見や他の取材記事をつなぎ合わせる、あるいは全く話を捏造して、一問一答の署名原稿にするなど想像できないかもしれない。しかし、残念ながら日本の“欧州サッカー専門誌”では日常的に行われていることなのだ。

 例えば――。

 五月二日発売の『ワールドサッカーダイジェスト』(日本スポーツ企画出版社)はFCバルセロナのリオネル・メッシのピッチ場での写真を表紙に使い、〈INTERVIEW WITH THE MAN〉として、五ページに渡って、彼のインタビューを掲載している。

 記事の始まりはこんな風だ。

〈ワールドサッカーダイジェスト(以下WSD)日本のフットボール専門誌『ワールドサッカーダイジェスト』で、レオ(メッシの愛称)が今シーズンのリーガ・エスパニョーラのベストプレーヤーに選ばれた。選考委員は、セルヒオ・ゴンサレス(前エスパニョール監督)と、スペイン人の記者ふたりらしい。感想を聞かせてもらえる?

リオネル・メッシ(以下LM) 3人とも優しいんだね(笑)。ありがとう。感謝の気持ちでいっぱいだよ。ここまでチームメイトの助けになろうと、チームの勝利のためにベストを尽くしてきた。きっと、そのあたりを評価してもらえたんだろう。シーズンは残りわずか。最高のラストを迎えられるように、もうひと踏ん張りしないとね。(以下略)〉(原文ママ)

 執筆者は〈Roberto Martinez〉、翻訳は〈Masayuki Shimomura〉となっている。

 ワールドサッカーダイジェスト誌のこの号では「リーガ・エスパニョーラのベストプレーヤー」を選出。その“受賞”を称えるためインタビューを行ったという体裁をとっている。

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