イングランドに選手が流出する傾向は今も変わらず
そして、スコットランドはその時々の大強豪チームに一泡吹かせる“金星コレクター”としての実績も過去に数多く残している。それも華々しい激闘の末に。例えば、1978年のワールドカップで、後に決勝に駒を進めたオランダを3-2で撃破した語り草の歴史的勝利、などなど。また、スコットランドが本大会に出場したワールドカップでブラジルが優勝した試しはないという、ちょっぴり興味深いジョーカー的ジンクスもある。
ユーロ2016では他の英国勢、特にウェールズには相当に差をつけられた格好になったとはいえ、予選での健闘も含めてスコットランドの未来は決して暗くはない。
今も代表キャップ数史上最多(102)を誇るケニー・ダルグリーシュや、孤高の“赤い悪魔”デニス・ロー、リーズ最強時代のキャプテン、ビリー・ブレムナー、あるいはリヴァプール史上最高のCBアラン・ハンセンらの時代以来、突出したプレーヤーの多くがイングランドに流出する傾向は今も変わりはないが、それもれっきとした“他流試合志向”のスコットランド流(?)。
というより、彼らのイングリッシュ・リクルートがほぼ若い頃に集中しているところにこそ、スコットランドの底力を見出すべきなのだろう。