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レスターが払った奇跡の代償…岡崎も期待の新戦力とクラブの補強戦略が迎える第2章【現地レポート】

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

岡崎、新戦力メンディは…「ポテンシャルが高い」

メンディ
岡崎も期待を寄せる新戦力、ナンパリス・メンディ【写真:Getty Images】

 カンテの残していった穴は大きい。それはイングランド公式戦初戦の、コミュニティー・シールドでも明らかだった。この試合で4-4-2の中盤センターの一角を担ったアンディー・キングは、2部時代にはまさしくチームの“キング”として振る舞ったが、プレミアレベルではそれは困難。

 守備面ではトラックバックを怠り、自身が得意とするはずの前線への上りも試合中に数回しか見せない。このような中途半端なポジション取りに加えて、絶対的に不足する運動量とスピードでは、昨季のチームの“キング”の代わりが務まるはずがない。

 このウェールズ代表MFより期待できそうなのが、今夏にニースから加入したナンパリス・メンディだろう。しかしカンテよりも守備的な選手で、敵の攻撃の芽を潰す「壊し屋」という印象のほうが強く、前述のコミュニティー・シールドの際もスペースの使い方やパスのバラエティーには攻撃センスを感じることはできなかった。だが試合後の岡崎から聞かれたメンディについてのコメントは、ポジティブだった。

「メンディは悪くなかったと思う。見ていて思ったが、まだ迷いがあるというか。うちの戦術は自由なので。監督も規律は求めるけど、はっきりと『このタイミングで、こう行け』とかがあるわけじゃない。自分で判断してという感じ。やはり先にやれているキングとかドリンキー(ドリンクウォーター)の方が、もちろん迷いがなくやれる。ポテンシャルで言ったらメンディも高い。迷いさえなくなれば、今日みたいに激しく行くところ、カンテみたいに先にボールを触れたりもするんで。ああいうのを見ていると、もっと自信持ったらできるんじゃないかな」

 それでも試合を通じて攻撃陣へのパスの出どころが少なかったのは確かで、改善が必要な個所であるのは間違いない。それは岡崎も感じている。

「もう少し自分が欲しい時に入れて欲しいタイミングがいっぱいあった。勇気を持って足元でボールを回せる選手があまりいないので。ボランチも含めて、ルックアップするとかがない」

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