フットボールチャンネル

香川真司 8年前

敗戦も香川は前を向く「いい調整できている」。BVBとバイエルン、長い戦いの始まり

text by 本田千尋 photo by Getty Images

突かれた一瞬の隙。試合巧者だったバイエルン

 33分には、オーバメヤンからパスを受けた香川は、右を走るパスラックへ。パスラックの折り返しを、最後はデンベレがシュートを打つが、ゴールの上に外れていく。

 ドルトムントは最後の精度を欠いた。

 香川は振り返る。

「前半の、あの早い時間帯でとれたら、僕らは上手く主導権を握れてより戦いやすかった」

 前半にドルトムントは攻め立てたが、「主導権」を握っていたわけではなかった。

「やりたいことをやられたのかなと思います」

 コンディションが整わず不利な状況でありながら、それなりの戦い方をバイエルンに「やられた」。

 50分が過ぎて、何度かノイアーの好セーブで防がれると、一瞬の隙だった。

 58分。左サイドでリベリーからレバンドフスキにボールを入れられると、中央で受けたミュラーがさらに右に流す。ビダルが走り込んでシュート打つ。一度はビュルキが弾いたが、詰めたビダルにゴールを奪われた。0-1。

 先制されたドルトムントは、前半からの勢いを削がれてしまう。さらに79分。右のCKから、最後はミュラーに詰められる。0-2。

 アンチェロッティ=バイエルンは試合巧者だった。ドルトムントの勢いを上手くいなし、決めるところできっちりと決てくる。抜け目はない。

 ドルトムントは、スーパーカップを0-2で落とした。しかし、この結果を反省こそすれ、気に病む必要はないだろう。

「長い戦いになる」と香川は言う。

「本当にワンシーズン長い。しっかりとしたものをこの序盤戦で築き上げて行きたいですし、そういう意味では個人的にも求められるものはある。まあでも、長い期間を見て戦って行きたいなと思います」

 ドルトムントとバイエルン、犬猿のライバル関係は来たるシーズンも続く。今日は、その前哨戦に過ぎないのだ。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

【了】

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top