欧州サッカー界で五輪が軽視される理由。FIFAとIOCの対立。発端は「アマチュア条項」に【サッカー用語の基礎知識】

知っているようでよく理解できていない、そんなサッカー用語を普段見聞きしていることはないだろうか。語彙の面からサッカーに迫ることで、より深い理解が可能になるかもしれない。今回は「アマチュアリズム」をキーワードに、なぜ欧州サッカー界で五輪が軽視されるのかについて考えたい。(文:実川元子)

2016年08月23日(Tue)10時19分配信

シリーズ:サッカー用語の基礎知識
text by 実川元子 photo Getty Images
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FIFAとIOCの対立、発端は「オリンピック憲章」に

IOCは年齢制限撤廃を求めたが、FIFAが応じなかったため、五輪の男子サッカーには年齢制限が設けられている【写真:Getty Images】
IOCは年齢制限撤廃を求めたが、FIFAが応じなかったため、五輪の男子サッカーには年齢制限が設けられている【写真:Getty Images】

 リオ・オリンピック開幕一週間前、日本サッカー界に衝撃的なニュースがもたらされた。オリンピック予選から不動のFWとして日本チームを出場権獲得に導いた久保裕也選手のリオへの派遣を、所属するクラブ、ヤングボーイズが拒否したのである。

 クラブ側の拒否理由は、7月27日にウクライナで行なわれるチャンピオンズリーグ予選に久保を帯同させたいから、というもの。オリンピックが大好きな日本人の中には「オリンピック代表の名誉よりもCL予選をを優先させるのか?」と意外に思った人もいるだろう。

 今回のリオ・オリンピックにでは、FIFAはサッカークラブに選手を派遣させるように強制しなかった。だから日本と対戦したスウェーデンは、オリンピック期間中に国内リーグ戦が継続していることを理由に、52名もの選手の招集を拒否した。日本に勝利したナイジェリアも、欧州クラブに所属する選手は招集拒否している。

 欧州サッカークラブのオリンピック軽視の背景には、FIFA国際サッカー連盟とIOC国際オリンピック委員会との間で、一世紀近くにわたって続く対立がある。発端はオリンピック憲章にあった「アマチュア条項」だった。

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