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アジア 8年前

W杯に挑むフットサルベトナム代表。同国”フットサルの父”の存在。積極投資で急成長

text by 宇佐美淳 photo by Jun Usami

“ベトナムフットサル界のネイマール”が牽引

目覚ましい成長を遂げているベトナムのフットサル
目覚ましい成長を遂げているベトナムのフットサル【写真:宇佐美淳】

 チームの主力は「ベトナムフットサル界のネイマール」と称される25歳のチャン・バン・ブー。小柄だが非常にテクニカルかつクラバーなプレーヤーで、左右両足から放たれる正確なシュートが武器。2008年にトゥ会長自らライバルチームから引き抜いた逸材は、すぐにタイソンナムでもレギュラーに定着し、2010年に代表初招集。今年新たに設けられたゴールデンボール賞(年間最優秀選手賞)のフットサル部門では初代受賞者となった。

 2008年にタイソンナムのユースチームのセレクションに合格したレ・クオック・ナムも今では代表の中心選手だ。まだ23歳だが、とても早起きで毎朝一番に練習場に来て、ボールを蹴っているため、チームメイトからは親しみを込めて、「ナム爺」と呼ばれている。技巧派レフティーは、攻撃のアクセントとしてチームに欠かせない存在となっている。

 初出場のフットサルワールドカップに向けて、チームは7月末にキャンプイン。8月にはスペイン、9月に入ってからは高地対策のため、アルゼンチンに遠征し、両国の代表チームとトレーニングマッチを行った。

 世界5位の強豪アルゼンチンとの2試合では、いずれも逆転負けを喫したものの、見事な先制ゴールを決めるなど確かな成長が見られ、アルゼンチンメディアも「ワールドカップ出場を決めたのは、まぐれではなかった」とその実力を評価した。

 ベトナムは、1次リーグで、グアテマラ、パラグアイ、イタリアと対戦する。初出場のベトナムに気負いはない。目標に掲げるベスト8は簡単ではないが、ワールドカップ予選で見せた不屈の精神で、ただベストを尽くすのみだ。

【フットサルベトナム代表の1次リーグの日程】
9月12日:グアテマラ
9月15日:パラグアイ
9月17日:イタリア

(取材・文:宇佐美淳【ホーチミン】)

【了】

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