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岡崎の出番はなぜ激減したか? 日本代表FWが語る“現在地”と王者レスターに生じた変化【現地レポート】

text by Kozo Matsuzawa / 松澤浩三 photo by Getty Images

新戦力の獲得で失った「2番手FW」のポジション

ラニエリ
レスターのクラウディオ・ラニエリ監督【写真:Getty Images】

「クラウディオ・ラニエリ監督は、どのような状況でなら岡崎を使うのか」

 プレミアリーグで最後に先発出場した9月10日のリバプール戦から、最終的に出番が与えられた前述のサウサンプトン戦まで。岡崎本人を含めて、誰もがその答えを探し続け、今でも明らかにはなってはいないのが現状だ。

 およそ1ヶ月前まで、岡崎はエースのヴァーディーに次ぐ2番手FWの位置にいた。プレミアリーグ挑戦1年目の昨季はリーグ戦初優勝を果たした“ミラクル・レスター”の一員として36戦に出場し、そのうち28試合で先発起用。5得点とゴール数に物足りなさを感じたのは確かだが、その一方で抜群の決定力を誇ったヴァーディーやリヤド・マレズをサポート。攻撃では中盤と前線をつなげる潤滑油的な役割をこなし、高い位置からプレッシングやボールを失った際のトラックバックで守備でも貢献した。

 2年目の岡崎は自身のポジションを確立させるために、スケールアップを目指した。それがゴールに対するさらに貪欲な姿勢であり、得点力アップであった。そのためにシーズン開幕前からミドルレンジからのシュート練習をこなし、開幕後はエリア外からも積極的にゴールを狙う岡崎の姿が見られた。

 翻って現在。本人が思い描いていた状況とは裏腹に、岡崎はチーム内の3番手、4番手、もしくは5番手かも分からない状況に陥っている。イタリア人指揮官が開幕前にアフメド・ムサを、さらに移籍期限直前にはスリマニを獲得したことからも、日本代表ストライカーのパフォーマンスに納得していなかったのは確かである。

 昨季3月14日の対ニューカッスル戦で鮮烈なオーバーヘッドゴールを決めて以来、チェルシー戦まで半年以上もゴールがなかったのだ。一方、スリマニはプレミアリーグデビューとなったバーンリー戦で2得点を挙げ、さらにCLのポルト戦でも決勝ゴールを決めた。バーンリー戦後、岡崎は出場機会を与えられ続けながらゴール数を伸ばせなかった自分自身の不甲斐なさを嘆いた。

「結局結果を残しきれなかったというのが、そのツケでこうやって新しい選手を獲らざるをえなかったと思う」

 だが同時に「今までにないくらい厳しいFW争い。もう次のレベルでの戦いに入った。昨季とはまったく違う戦い。俺のプレミアリーグでの第2ステージ」として、奮起を誓っていた。

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