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日本代表 9年前

アルジェリア関係者のハリル評。絶えなかったメディアとの軋轢。当時の右腕が語る真実【アルジェリア人記者の視点】

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「ヴァイッドはスタッフの意見を常に重要視していました」

 アルジェリア代表監督時代のハリルホジッチは、スタッフとの協力関係をことさら重要視する指揮官だったとかつての右腕は語る。

「我々は非常に密接な協力関係のもとで仕事していました。ヴァイッドはスタッフの意見を常に重要視していましたからね」

 たとえばトレーニングのプログラム作成でも、ハリルホジッチは全スタッフに意見を求めた。自ら指導するフィールドプレーヤー以外の、GKコーチが指導するゴールキーパーやフィジカルトレーナーによるトレーニングの内容も、彼ら専門家の意見を聞きつつ、その上で自分自身で最終プランを組み立てた。内容を把握しておくためだ。

 それは試合前の戦略会議でも同じだった。

「ヴァイッドは戦術の鬼で、高い位置からプレスをかけてボールを奪って展開する攻撃的サッカーに傾倒していました。毎回、試合の前には、どんな戦略を採用するのが一番適しているか、また何か変更すべき点があるかということを我々と相談しました。最終決定は彼が下すのですが、その前には必ずみなの意見を聞いていましたね」とクリシは振り返る。

 南アフリカで開催された2013年のCAN2013ではアルジェリア代表は苦戦し、一回戦敗退を喫した。しかし挫けかけていた全員のモチベーションを上げることに成功したハリルホジッチはその後、のちにアルジェリア代表のトレードマークともなった、どんな局面でも決して諦めることなく勝利を追い求める姿勢をチームに植え付けた。

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