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日本代表 7年前

アルジェリア関係者のハリル評。絶えなかったメディアとの軋轢。当時の右腕が語る真実【アルジェリア人記者の視点】

text by ヤシン・ブアリ photo by Getty Images

「アシスタントは監督と適度な距離を保つことが必要です」

 今でもアルジェリア代表の試合があると、彼の名前が必ずどこかで持ち上がる。つい先日もセルビア人監督のラジェバッツが更迭されたが、すぐさまハリルホジッチ復帰を求める声が挙がった。

「ヴァイッドとともに働くのに必要なことは、彼と同じだけのフットボールへの情熱と、仕事に対する厳しさを持っていることです」とクリシは語る。

「さらに重要なのは、信頼です。アシスタントは監督と適度な距離を保つことが必要ですが、お互いへの信頼があってこそ、それが可能になる」

「そしてもう一つ、機密事項を厳守すること。ヴァイッドのアシスタントをしていた時代、私は彼の許可なしには一切メディアとは話をしませんでした。それを知っていたから、ヴァイッドも私を信用してくれていたのだと思います」

 ハリルホジッチは、裏表のないまっすぐな人物だとクリシは語る。

「彼は優しく、なにより能力の高い指揮官です。厳格な男という印象を与えているかもしれないが、いったん現場を離れれば、彼も一人の人間で、弱味や繊細な部分もあった。たとえて言うなら、彼は“ビロードの手袋に包まれた鉄の手”、そんな人物ですよ」

(文:ヤシン・ブアリ/翻訳:小川由紀子)

【了】

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