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アジア 7年前

“ベトナムのメッシ”が背負う過度な期待と重圧。有望株からスターへと生まれ変わる試練の時

text by エリック・ブーイ photo by Getty Images

有望株からスーパースターへ。重圧を乗り越えられるか

ヒュー・タン
ベトナム代表のグエン・ヒュー・タン監督【写真:Getty Images】

 だが先発に起用されながらも、わずか6回のボールタッチを終えたあと、不運な形で交代を余儀なくされてしまう。開始7分でチームメイトが退場処分を受けたことで、犠牲になることを強いられたのはコン・フォンだった。

 地元メディアはまたしてもすぐさま反応し、コン・フォンの苦境を取り上げた。それがまたさらに不調のストライカーへのプレッシャーを強めている。ここ最近の状況は容易ではなく、コン・フォンは不満を募らせているが、有望株からスーパースターへと成長するためには乗り越えなければならないプレッシャーでもある。それはあらゆるプロ選手に共通することだ。

 準決勝で対戦するインドネシアは、コン・フォンにとって良いイメージのある相手だ。つい1ヶ月前に対戦した際には代表初ゴールを記録している。彼にとって必要なのは、これまでの落胆を忘れて自分自身を信じ、試合に集中することだけだ。
(編注:1stレグでは、コン・フォンは終盤2分間の出場にとどまりゴールもなかった)

 グエン・ヒュー・タン監督も「落ち着いてやれ、コン・フォン!」とタッチライン際から叫び、気落ちするストライカーを励まそうとしていた。彼の時間はこれからだ。今後さらなるチャンスが若い彼を待っているだろう。

(取材・文:エリック・ブーイ/フットボールチャンネルベトナム)

【了】

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