「中東の笛」「中東戦術」は差別表現なのか? 差別なくすためにサッカー界からできること

2016年12月06日(Tue)10時00分配信

text by 植田路生 photo Getty Images
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「中東の笛」、なぜ差別表現なのか?

「土人」については、大阪府警の機動隊員が沖縄県東村高江の米軍北部訓練場において工事反対派に発し、問題となった。これに対し、鶴保庸介沖縄・北方担当大臣は「差別と断定できない」との見解を示していた。

「用語自体が差別表現であるにもかかわらず、政治家が擁護しました。これでは一般の人が『使って何が悪いのか』と思ってもおかしくない。影響は確実にあったのではないか」と梁氏は語る。

 差別はいけないこと――。誰にでも分かることだが、減らし、なくしていくためには1つひとつの言葉だけでなく、どのようなものが差別に当たるのか明確な基準を個々人が知ることだ。

 例えば、韓国人に対し「チョン」や「キムチ臭い」といった言葉をぶつけるのは差別行為だと誰でも分かるだろう。では、「中東の笛」や「中東戦術」は果たしてどうなのか。ARICのホームページにはこれらの言葉もヘイトスピーチの具体例として記載されている。

「中東の笛」は元々ハンドボールでの不可解なジャッジから生まれた言葉だ。中東出身の審判が同じ中東諸国に有利になるようなジャッジをしたという疑いがあり、使われるようになった。ここを由来とし、サッカーでも使用されるようになった。

「重要なのは社会がNGとすべき差別の定義です。日本も結ぶ人種差別撤廃条約がNGした差別の定義はざっというと“グループに対する不平等”。不正なジャッジがあれば、その当該審判を批判すれば良いんです。“中東という1くくりのグループ”を丸ごと批判すべきではありません。中東出身者への偏見を煽りかねない」(梁氏)

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