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レアル、“完璧な”2016年は最終局面へ。クラブW杯に向け主力温存。BBC依存も脱却か

text by 高橋康光 photo by Getty Images

マドリーの2016年は完璧なまま終わるのか

 分厚い選手層の中、マリアーノは短い出場時間で着実に結果を残しており、11月30日のスペイン国王杯のクルトゥラル戦ではハットトリックをマーク。12月2日付『アス』紙では、21000票を超えるファンアンケートで、マリアーノをFWのスタメンに推す声が46%と、アルバロ・モラタ(35%)、カリム・ベンゼマ(16%)への支持を圧倒するということも起こった。

 180cmに満たないボディサイズだが、動きのダイナミックさ、エレガントなプレースタイルのFWが多いマドリーの中では珍しく、野性味を前面に押し出すスタイルは見ていて非常に小気味よい。

 デポルティボ戦後の『アス』紙でもマリアーノについて「そのポテンシャル、両足でのシュート、空中戦、そして献身性、彼はカンテラ出身選手の完璧な手本だ。苛烈な競争が、彼からふさわしい出場時間を奪っているが、並外れたFWだ」と記述されている。

 今季開幕直後から、1月の移籍市場での放出が噂されているが、このところの相次ぐ活躍で、大きくチーム内での序列を挙げているものと思われる。2017年に向けて、さらに見たい選手の1人である。

 最後に、12日(月)早朝にマドリーイレブンが無事に日本に到着したというニュースが届いた。初戦となる準決勝は15日、相手は北中米王者のクラブアメリカだ。18日の決勝まで非常にタイトな日程となるが、ここでもジダン監督のマネージ力が問われるところだ。マドリーの2016年は完璧なまま終わるのだろうか。この最強軍団を日本で見られることを存分に楽しみたい。

(文:高橋康光)

【了】

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