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レアル、“完璧な”2016年は最終局面へ。クラブW杯に向け主力温存。BBC依存も脱却か

クラブワールドカップを控え、リーガエスパニョーラの年内最終戦となるデポルティボ戦に主力を温存して臨んだレアル・マドリー。思わぬ苦戦を強いられたもののアディショナルタイムの劇的弾でなんとか勝ち点3をモノにした。確実に結果をものにする“エル・ブランコ”は、クラブW杯を本気で獲りにいくべく、その牙を研いでいる。(文:高橋康光)

text by 高橋康光 photo by Getty Images

主力温存。クラブW杯制覇に向け本気のレアル

ジネディーヌ・ジダン
レアル・マドリーのジネディーヌ・ジダン監督【写真:Getty Images】

 クラブワールドカップ(以下、クラブW杯)を戦う日程上、リーガでは年内最後の試合となるレアル・マドリーは3-2でデポルティボを下し2位バルセロナとの勝ち点6差をキープすることに成功した。

 今節は、上述のようにクラブW杯を控え、クリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマ、ルカ・モドリッチら多くの主力を温存する中で、勝ち点3を確実に取るという命題があった。16位のデポルティボに思わぬ苦戦を強いられたが、セルヒオ・ラモスのアディショナルタイムのゴールでこれを振り切り、見事に勝ち点3をモノにした。

 休養を与えられたメンバーを見ても、マドリーがクラブW杯制覇に本気なのは明らかなところ。デポルティボ戦は、試合内容よりも勝利そのものに意義があった。

 これで無敗記録はチーム新となる35試合にまで伸びた(今季に限れば24戦無敗となる)。クラブW杯では、(おそらく)2試合戦うことになり、これをもってマドリーの2016年は終わりを迎えることになる。

 日本での大会を残している以上、1年を振り返るのは若干早計だが、年内のリーグ戦は今節で終了。11勝4分けという素晴らしい数字が残った。シーズン開幕前は、大きな補強もせずに継続路線を選択。この効果が如実に現れた序盤戦であった。

 既存の戦力の底上げ、レンタル含め復帰組の活躍、ジネディーヌ・ジダン監督イズムの浸透は、多くのケガ人を生み出した危機的な状況の中でもチームのサイクルを正しく回転させた。大きな期待を受けて入団したMFアンドレ・ゴメス、FWパコ・アルカセルがいまだにフィットしない宿敵バルセロナと比べ、戦力を無駄なく使っている印象だ。

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