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バルサ、ダービー圧勝も拭えない“もどかしさ”。主軸への高過ぎる依存度と2017年への不安感

text by 高橋康光 photo by Getty Images

高過ぎた5選手への依存度。欠ければクオリティ維持が困難に

 失意のドローに終わったクラシコを経て、前節オサスナ戦、今節と直近2戦で強さを取り戻したかに見えるバルセロナだが、そこにはイニエスタの復帰が大きく絡んでいる。クラシコでも後半途中から出場したイニエスタがゲームの流れを変えていたのは明白だった。

 多くのスペインメディアも指摘しているようにイニエスタの存在がチーム復活の原動力となっている。

 つまり、この32歳のキャプテンがどこまでフル回転できるかがチームの浮き沈みのカギを握っているおり、さらに言えば、MSN(メッシ、スアレス、ネイマール)の3人にイニエスタ、セルヒオ・ブスケッツを加えたこの5選手への依存度が非常に高く、彼らが揃っている試合とそうでない試合、特にこのうち2人でも欠けると、チームのクオリティを維持するのが非常に困難になっている現状がある。

 結局、絶対的レギュラーである彼らと、控えプレーヤーとのクオリティの差があまりにも大きいことが長いリーグ戦を戦う上では大きな弊害を生んでしまう。

 周知のとおり、圧倒的なテクニックと組織力をベースとするバルセロナのサッカーは特異であり、スタッツ上でも、高いポゼッションとパス本数を誇る反面、走行距離で相手を上回るケースは稀である。公式データが発表されているチャンピオンズリーグ(CL)では、グループステージ6試合で相手を上回ったのは1試合(7-0と大勝したセルティック戦)のみだ。

 こういう特殊なチームであるがゆえ、上述の5選手とセンターバックの2人以外の残り3名のプレーヤー(左右のサイドバック、中盤の残り1人)は逆にハードワークや、高度な連携を求められる。

 バルセロナのゲームのチーム走行距離では必ずと言っていいほど、このポジションの3選手がトップ3を占めている。主戦のジョルディ・アルバに加え、リュカ・ディーニュが控えている左サイドに対し、右サイドはセルジ・ロベルト1人への依存度が高く、補強は今冬の急務である。彼らのコンディションも重要だ。

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