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バルサ、ダービー圧勝も拭えない“もどかしさ”。主軸への高過ぎる依存度と2017年への不安感

text by 高橋康光 photo by Getty Images

強さを見せれば見せるほど感じさせる“もどかしさ”

ラキティッチ
不調のイバン・ラキティッチ【写真:Getty Images】

 そして、中盤の3つ目のイスを巡る争いも、イバン・ラキティッチの不調により激戦化してきた。右サイドを担うことの多いこのポジションの選手には、メッシとの連携、そして彼の守備のカバーが求められ、本来テクニシャンタイプのアンドレ・ゴメス、デニス・スアレス、ラフィーニャといった選手たちが慣れない汗かき役に苦闘し、フィットしきっていないのが現状である。ラキティッチの復調が待たれるところだ。

 また、第4のFWとして期待を集めたパコ・アルカセルも公式戦ノーゴールという状況で、MSNの重要性を余計に際立たせてしまっている。

 このまま行くとCLが再開される2月、代表戦が入ってくる3月にはローテーションが必要不可欠になる。夏場にユーロ、コパ・アメリカ、オリンピックに参加し、休みなくプレーし続けている選手たちのコンディションが必ず落ちる時がやってくる。特に毎回繰り返される、代表ウイーク明けのMSNのコンディション不良は大きな懸念材料だ

 主軸のコンディションが整えば、今節のようなスペクタクルなゲームを披露することは可能だが、毎試合こうはいかない。こういうゲームを見せる一方で、取りこぼしの多かった今季前半の二の轍を踏まないためにも、冬場の適確な補強と、ルイス・エンリケ監督のチームマネージメントが重要となってくる。

 主軸が異次元の活躍を見せれば見せるほど、その反動が大きくなってしまうのが何とももどかしい今季のバルセロナである。

(文:高橋康光)

【了】

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