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バルサ、MSN不在時の穴を埋め切れず。イニエスタらへの依存度も顕著に【欧州主要クラブ中間査定】

シリーズ:16/17欧州主要クラブ中間査定 text by 高橋康光 photo by Getty Images

レアルに首位を明け渡す。不満残る前半戦に

アンドレス・イニエスタ
中盤で存在感を放つアンドレス・イニエスタ【写真:Getty Images】

 開幕節でベティスに6-2と快勝し首位発進したものの、第2節で首位の座を譲るとそのまま返り咲くことはなかった。結局、10勝4分2敗の勝ち点34の2位で2016年を終えた。

 並みのチームなら及第点以上の成績であろうが、世界随一のクラブにしてリーガ3連覇を狙うバルセロナにしてみると、決して満足のできる結果ではないだろう。1試合消化の少ない首位レアル・マドリーとの暫定勝ち点差は3と大きくはないが、数字以上の差をつけられた印象がある。

 順調に連勝スタートを切り、リオ五輪明けのネイマールが合流した第3節、ホームに昇格組アラベスを迎えた一戦でまさかの敗戦を喫する。実はこの一戦ではローテーションも考慮し、主軸のリオネル・メッシ、ルイス・スアレス、アンドレス・イニエスタが揃ってベンチスタートとなっていた。戦況が一変し、慌てて3選手を投入するも時すでに遅く敗戦の憂き目を見た。この一戦に象徴されるように、今季前半戦では主軸と控えの差が大きく現れた感がある。

 第16節までの総得点は暫定トップとなる41得点をマークしているが、うちMSN(メッシ、スアレス、ネイマール)によるゴールが28点を占め、その依存度の高さは際立っている。一方で期待されたアルカセルはいまだにリーグ戦ではノーゴールとその期待を裏切っている。

 また、そうした影響は戦い方にも現れてきている。ゴールのみならず、アシスト数でもチーム上位に位置するMSNは、3人の個の力だけでゴールを獲り切ってしまうケースも多く、これまでの様にポゼッションに執着することがなくなってきた。

 この3人に加え、イニエスタ、セルヒオ・ブスケッツの不在時にはチームのクオリティが変わってしまう。特にイニエスタが欠場した第11節セビージャ戦、第13節ソシエダ戦では中盤でタメが作れず相手に中盤を支配され、スタメンを外れた第7節のセルタ戦では、イニエスタ不在時に3失点を喫し、結局敗戦に終わった。この32歳のベテランの存在感はいまだに絶大だ。

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