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セリエA 7年前

ミラン、今季最悪の出来も…“余白”利用し5分間で同点。悔しさのあまり敵将も激怒

ミランは現地時間16日、セリエA第20節でトリノとアウェイで対戦した。前半で2得点を奪われてしまったミランは今季最悪の試合のひとつとなったが、後半の5分間で同点に追いつき2-2の引き分けで試合を終えた。敵将シニシャ・ミハイロビッチ監督は悔しさのあまりに激怒する一方、ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は冷静だった。(取材・文:神尾光臣【トリノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

2点のビハインドから同点…トリノ指揮官は激怒

バッカ
PKで同点ゴールを決めたミランのカルロス・バッカ【写真:Getty Images】

 スタディオ・オリンピコ(昨年4月からグランデ・トリノという名称もつけられた)のトリニスタたちからブーイングが上がった。2-0のリードから2-2のドローに終わったという内容の前に、格上相手のドローという結果にも喜んではいなかった。

 観客にフラストレーションが溜まったのだから、監督はもっとだ。シニシャ・ミハイロビッチ監督はインタビューボードを叩いて壊してしまった。試合後の記者会見の場でも、声こそ荒げなかったが怒りが滲み出ていた。

「怒ってはない。激怒したんだ。あれだけ前半はいい試合をしていたのに、2点取ったらラインを下げて守備一辺倒になり、パスミスもやたら増え、同点にされてそれからやっと反撃に転じる。こういうことを繰り返して、いったい勝ち点をいくつ取りこぼしたと思っている? 選手に掛けた言葉?(自分も頭にきているので)試合後には話さず1日経ってから言うことにしている。今日もどうせ悔しくて寝られないだろうから、一晩ゆっくりふさわしい言葉を考える」

 前半を優勢に進めながら、後半の少しの時間で追い上げを喰らったのは12日のコッパ・イタリアの試合と同様だった。ただ今回はそれよりも、トリノの自滅といった印象が強い。

 ミランのDF陣はアンドレア・ベロッティを捕まえきれず、サイドも見事な速攻で切り崩される。アデム・リャイッチのPKをジャンルイジ・ドンナルンマが止めていなければ、前半にして3-0と大差をつけられたところ。ミランが今季、ここまでやられたことはなかった。

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