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ミラン、ナポリに完敗。点差以上に見えた圧倒的な質の差

現地時間21日にミランはナポリと対戦し、1-2で敗れた。チャンピオンズリーグ出場を目指すミランにとっては痛い敗戦となったが、個々の力量などナポリはミランより上の順位にいることを見せる内容であった。ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は「チームを強豪に育てていくには時間が掛かる」と冷静に分析したが、果たしてどのように成熟を見せるのだろうか。(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

個々の力量、連携、戦術実行力。格上だったナポリ

ヴィンチェンツォ・モンテッラ
ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督【写真:Getty Images】

「最初はナポリが圧倒的だったが、ミランもとてもよく戦った。ドローが妥当だと思う」。ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ副会長は地元メディアにそう語った。

 確かに、ドローが妥当だというのはその通りだった。前節同様、2点を先行されながらよく盛り返した。後半2分のマリオ・パザリッチのヘディングシュートがバーに弾かれず、ゴールへと入っていたなら、むしろドロー以上の結果を得ていたことになったのかもしれない。実際、後半は支配率も大きく上回った。少なくとも、4点を取られて圧倒された前半戦での対決(第2節)とは異なり、拮抗した内容だった。

 だが、やはり細かいところで相手が上回り、それが1-2という試合結果に現れている面があるのは印象として否めなかった。個々の力量に連携、そして戦術の実行力など、やはりナポリは格上にいるだけのことをプレイで示していた。

 開始早々はミランがアグレッシブに攻めた。彼らの攻撃には、ボールホルダーに対して組織を収縮させるナポリに対し、アウトサイドを使って攻めようという意識が見られた。それは確かに効果的に機能しているように見えたのだが、ナポリはそれをたった2本のパスで崩した。

 前半6分、右サイドに開いた”偽9番”のドリス・メルテンスにパスが出る。するとメルテンスは、左サイドへ駆け上がったロレンツォ・インシーニエに寸分狂わず通した。インシーニエはこれを思い切り良く左足で蹴り込み先制ゴールを決めた。

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