ロマン・ゾズリャ【写真:Getty Images】
スペイン2部のラージョ・バジェカーノに期限付き移籍をしたウクライナ人FWロマン・ゾズリャが、猛抗議したサポーターにより古巣へ追い返されたようだ。1日付のスペイン紙『ABC』などが報じている。
今冬の移籍市場最終日にラージョに加入したゾズリャ。しかし、同選手がナチス共感者だと疑われていることで、左翼的だとされているラージョのサポーターは以前からゾズリャの加入に強く反対していたとされている。
その疑惑の発端となったのは、ゾズリャが着ていたTシャツにあるようだ。ベティスに加入するため昨年の夏にセビリア空港に到着した同選手は、その時にウクライナのネオナチグループに属するシンボルが描かれたTシャツを着ていたとして非難を浴びたという。これが原因で、ラージョのサポーターは、交渉時からにクラブに猛抗議していたようだ。
これに対してクラブのルイス・ヤネスGDは、「誤解だ。彼はネオナチとは何の関係もない」と、ラジオ『コぺ』で発言。そして、クラブの公式サイトでも「問題とされているシンボルは、詩人タラス・シェフチェンコの詩が書かれたウクライナの国章だ」と説明し、誤解を解こうとしたとされている。
また、ゾズリャ本人も「どの民兵組織やファシストグループとも繋がっていない」と説明したようだ。
しかし、それでもサポーターは聞く耳を持たず、練習中に同選手を侮辱して強烈に非難。これにより、ゾズリャはやむを得ず契約を解除したが、シーズンの初めにウクライナ1部のドニプロ・ドニプロペトロフスクでも登録されていたことですでに3つのクラブで登録されたゾズリャは、これから先古巣ベティスでも出場は不可能だと報じられている。
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