フランク・ランパードが現役引退を表明写真:Getty Images】
元イングランド代表MFフランク・ランパードは2日、自身のインスタグラムで現役引退を表明した。
ウェストハムでプロデビューを果たし、チェルシーやマンチェスター・シティなどプレミアリーグで長きにわたって活躍し、2015年からニューヨーク・シティFCに在籍していたランパード。MLSでの挑戦を昨年限りで終えてから「国内外でプレーを続けるための数々のオファーを受け取った」というが、38歳でスパイクを脱ぐことを決断した。
クラブレベルでは主にチェルシーで数々のメジャータイトル獲得に貢献した。2001年に加入した同クラブでは公式戦648試合に出場して211ゴールを記録。プレミアリーグで3度頂点に輝き、FA杯は4度、イングランド・リーグ杯は2度制した。2012年にはチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げている。
イングランド代表ではタイトルに恵まれなかったが、1999年から2014年にかけて106試合に出場して29得点を挙げた。2010年南アフリカW杯の決勝トーナメント1回戦のドイツ戦で、ランパードが放ったシュートがクロスバーに跳ね返ってから明らかにゴールラインを越えたにもかかわらず、審判にゴールと認められなかった事件は多くのサッカーファンの記憶に刻まれている。このプレーがのちにビデオ判定導入推進の引き金にもなった。
インスタグラムでランパードは「僕は今、自分の人生の次の章を始める時が来たと感じている」と引退の決断を明かし、家族や友人、過去に所属したチーム、同僚、監督、コーチ、チームスタッフ、ファンへ感謝の言葉を並べた。
特にチェルシーへの思い入れは強く、「チェルシーは僕に非常に多くの素晴らしい思い出を与えてくれたクラブ。彼らとともに達成することができた成功を決して忘れることはない。13年間プレーした僕を助けて、サポートしてくれた人たちに個別に感謝することは不可能だ。僕が言えるのは、サインした日から今までのことを、すべての人に永遠に感謝しているということ。チェルシーのファンは僕やチームメイトに信じられないほどのサポートをくれた。彼らの情熱と飢えが、僕に毎年全力を尽くさせたんだ。僕は彼らなしでは何もできなかった」と、長くプレーした古巣への熱い思いを語っている。
なお、引退したランパードは指導者への道を歩み始めることも明らかにしている。数年後にはプレミアリーグの舞台でサイドライン際に立ち、現役時代さながらにパワフルに走り回る監督としてのランパードを見られるかもしれない。
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