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柴崎、練習復帰の目処立たず。不安障害の可能性に専門家が対処。ホテルの部屋にこもる日々【現地レポート】

text by ラモン・エルナンデス photo by Getty Images

食事以外では全くホテルの部屋を出ない

柴崎
クラブW杯決勝ではレアル・マドリーを相手に2ゴールを奪い、鮮烈な印象を残した【写真:Getty Images】

 テネリフェがホームゲームを戦う舞台であるエスタディオ・エリオドーロ・ロドリゲス・ロペスのピッチに足を踏み入れると、柴崎はまたしても注目の的となった。

 監督は新加入選手の長所やプレーの特徴を知りたいという意欲を見せ、この日予定されていた練習メニューの多くは柴崎を中心に据えて行われた。だが柴崎が他のメンバーと一緒に練習に参加したのは、この日とその翌日だけだった。

 そこから苦難の日々が始まった。練習でも周囲と全くコミュニケーションの取れていない様子だった柴崎は、スペイン語はおろか英語も話すことができず、テネリフェでの日常生活といえばホテルの部屋で過ごすだけだった。

 チームがエルチェとのホームゲームに勝利を収めてリーガ2部の4位に浮上したあと、月曜日(2月6日)にはチームメートたちに試合後のオフが与えられる一方で、柴崎は監督とともに一人で練習をしていた。

 その2月6日が、柴崎のトレーニング姿を見ることができた最後の日となった。その後は誰も練習場で彼の姿を目にしてはいない。滞在するホテルの部屋を5回も替えたという柴崎について、ホテルの従業員たちは、食事以外では全くホテルの部屋を出ることがないと証言している。その食事はと言えばもちろんごく普通であり、クラブが練習欠席の理由だとしていた胃腸の問題に対応するような特別な食生活を送っているわけではない。

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