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リネカー氏、FA杯での選手”温存”に苦言。「疲れている時こそアドレナリンが出る」

text by 編集部 photo by Getty Images

ゲーリー・リネカー
元イングランド代表のゲーリー・リネカー氏【写真:Getty Images】

 元イングランド代表のゲーリー・リネカー氏は、プレミアリーグの監督たちがFAカップの試合でメンバーを大幅に入れ替えることに嫌気が差しているとして不満を述べ、改善に向けた提案を行っている。16日付の英紙『テレグラフ』などが伝えた。

 1871年に設立されたFAカップは、世界で最も歴史あるサッカーの大会として、非常に権威のあるタイトルだとされている。だが実情としてはプレミアリーグやチャンピオンズリーグなどの戦いを重視する強豪クラブの監督が主力を温存して試合に臨み、格下に足元をすくわれることもある。

 過密日程で疲労した選手たちを休ませるため、という監督たちの主張にリネカー氏は納得していないようだ。「選手たちが疲れているとか、週に3試合があるとか、そういうことは全て”神話”でしかない。彼らは間違っている。テニスなどのスポーツを見てみれば、選手たちはよりたくさんプレーするほど良くなるものだと分かるはずだ」

 自身の現役時代の経験から、選手は疲れているような時こそむしろ力を発揮できるとリネカー氏は述べている。「私の最高の試合の多くは、酷い状態だと感じていた時のものだった。1990年ワールドカップ準決勝の朝にはほとんど動くこともできなかった。だがいわゆるアドレナリンが湧いてくるものだ」

 疲労という“言い訳“でのメンバー入れ替えを許さないためにも、試合が引き分けに終わった場合再試合が行われるFAカップの現行制度を見直し、試合数を減らすことが大会の権威復活に繋がるとリネカー氏は主張。プレミアリーグにおける年末の過密日程や、ホーム&アウェイの2試合で行われるリーグカップ準決勝にも見直しが必要だと訴えている。

 今週末にはFAカップのベスト16にあたる5回戦の試合が行われる。レスター・シティのクラウディオ・ラニエリ監督は残留争いを強いられているプレミアリーグでの戦いを重視し、3部ミルウォールとの試合で大幅にメンバーを入れ替えることを示唆している。

【了】

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