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イングランドのお騒がせ主審、サウジ行きの遠因は”暴言疑惑”事件にあり?

text by 編集部 photo by Getty Images

マーク・クラッテンバーグ
プレミアリーグを去るマーク・クラッテンバーグ主審【写真:Getty Images】

 英国のマーク・クラッテンバーグ主審がプレミアリーグを離れ、サウジアラビアリーグへの“移籍“を決めたことは、現マンチェスター・ユナイテッドのMFフアン・マタらとの間に起こした騒動に理由があったという。17日付の英紙『デイリー・スター』が伝えている。

 プレミアリーグを代表する審判員として知られ、昨年のEURO2016決勝でも主審を務めたクラッテンバーグ氏は、イングランドを離れることが明らかになった。数日前には中国やアメリカ行きも示唆していたが、サウジアラビアからの巨額のオファーを受け、1年契約でサウジアラビアリーグの審判部長を務めることが決まったという。

 国内外で高く評価される一方で、様々な問題を引き起こす“お騒がせ“審判でもあったクラッテンバーグ氏だが、プレミアリーグを去る原因もその騒動のひとつにあったようだ。2012年10月に行われたユナイテッド対チェルシー戦で、当時チェルシーに所属していたマタやMFジョン・オビ・ミケルに対してクラッテンバーグ主審が不適切な発言を行ったと疑われた問題だ。

 報道によればクラッテンバーグ氏はマタに対して「嫌なスペイン人」、ミケルに対して「猿」などとの言葉を吐いたとされていた。チェルシーがプレミアリーグに抗議を行い、警察が捜査を行う事態に発展したが、証拠がないとしてクラッテンバーグ氏は処分を免れることになった。

 元審判部長のキース・ハケット氏は、この一件の際にPGMOL(イングランドのプロの試合のレフェリーを統括する組織)から十分なサポートを受けられなかったことがクラッテンバーグ氏の今回の決断に繋がったとの見解を述べている。「マネジメントの拙さによるものだと思う。マタの事件のあと、マークは誰からもサポートしてもらえなかったと感じていた」と同氏は語った。

 シーズン途中でプレミアリーグを去ることになったクラッテンバーグ氏の最後の試合は、現地時間11日に行われたアーセナル対ハル・シティ戦となったが、この試合ではFWアレクシス・サンチェスがゴールを決めた際にハンドを見逃したという誤審が騒がれた。クラッテンバーグ氏は試合中に誤審を認めてハルの選手たちに謝罪していたという。

【了】

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