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ハーフナー、どん底からの完全復活。オランダ通算50得点の実績を手に新たな道へ

text by 中田徹 photo by Getty Images

綿密に練られた復帰プロセス。その名は「ハーフナー・プラン」

ハーフナー・マイク
戦列に復帰しても、ハーフナーはベンチスタートが続いた。それはクラブからの信頼の裏返しだった【写真:Getty Images】

 待望の8ヶ月ぶりのゴールは3月11日のNEC戦だった。後半21分からピッチに立ったハーフナーはその6分後、フリーキックに頭で合わせチームを1-0の勝利に導いた。

「涙が出そうだった」と言うほど、ハーフナーにとっては嬉しいゴールだった。

 ところが、次のAZ戦(3月19日)でフルーネンダイク監督はハーフナーを起用しなかった。0-4と大差がついた負け試合だったこともあり、「意図してマイクを起用しなかった」とフルーネンダイク監督は試合後に説明した。

 指揮官は3月下旬の国際マッチブレークでもう一度、ハーフナーのコンディション向上を図ろうとしたのである。3月半ば頃、フルーネンダイク監督は「我々はハーフナーのためのプランを立てている」と明かしていたのだ。オランダではこれを『ハーフナー・プラン』と呼んでいる。

 3月22日、ADOデン・ハーグはブンデスリーガ2部のボーフムと練習試合を行った。ハーフナーはフル出場を果たし、味方に1アシストを記録してチームを2-1の勝利に導いた。この試合の活躍によって、ハーフナーの先発復帰に青信号が灯った。

 4月2日のローダ戦(4-1で勝利)は77分間プレーし、こぼれ球を頭で押し込んだ。5日のウィレム2戦(2-1で勝利)はペナルティエリアの中で相手を背負いながら反転し、右足シュートを決めた。8日のフローニンゲン戦(4-3で勝利)は右からのクロスをヘッドで叩き込んだ。15日のPSV戦(1-1のドロー)は試合終了目前で、こぼれ球にうまく反応してヘッドを決めた。

 NEC戦を含めると、ハーフナーは自身が出場した5試合全てでゴールを決めた。PSV戦後、ハーフナーは「ノッてる男にボールはこぼれでくるんです」と豪語した。

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