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レアルを盤石にするトリオはBBCではなく。攻守に芯通す3人、洗練された連係【西部の目】

現地時間14日、リーガエスパニョーラ第37節が行われ、レアル・マドリーが何人かの選手を温存しながらも難敵セビージャを相手に4-1と快勝。チャンピオンズリーグでは決勝に進み、国内リーグ制覇も近づいてきた。今季は盤石ともいえる戦いぶりを見せているエル・ブランコだが、その強さの秘訣はどこにあるのだろうか。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

寂しいセビージャの大敗。一時の勢いはどこへ

 一時はレアル・マドリーもバルセロナも凌駕する勢いのあったセビージャが、すっかり大人しくなってしまった。もはや上にも下にも行けない4位、ホルヘ・サンパオリ監督は今季かぎりでの退団が濃厚、アルゼンチン代表監督になるという。

 今季のセビージャはリーガに新風を吹き込んだ。強烈なハイプレスと巧みなパスワーク、攻守ともにアグレッシブなプレーぶり。サミル・ナスリが加入してからは、自由自在のポジショニングとアイデアでチームはスケールアップしていった。

 サンパオリが敬愛するマルセロ・ビエルサのチームも終盤の失速が定番だったが、そこまで真似しなくてもよさそうなものだ。ともあれセビージャは妙に大人しくなってしまった。レアルに対してもチャンスは作れていたけれども、以前のように牙をむくことはないまま、試合は当たり前のように4-1で終わっている。

 レアルの先制点は10分、アセンシオが倒されて得たFKをナチョが素早くシュートして決めた。GKリコはまだ構えてもおらず、壁も作りかけだった。しかしレフェリーは“セレモニー”の合図をしていなかったし、ボールも静止していたから、ナチョのプレーは正当である。レフェリーをブラインドに使って蹴ったのも巧妙だった。

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