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セリエA 7年前

インテルとナポリの見事な死闘。好プレーの応酬、個々でも組織でもハイレベルな首位決戦

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

耐えるだけでなかったインテル。打倒ナポリへの緻密な準備

インテルのスパレッティ監督(左)とナポリのサッリ監督(右)
インテルのスパレッティ監督(左)とナポリのサッリ監督(右)【写真:Getty Images】

 しかしインテルは耐えた。彼らはただ前節と同じことをしようとしただけではなかった。スパレッティ監督のもと「編集ビデオを直前まで見ながら(長友)」、ナポリに抗するためのサッカーを緻密に準備していたのだ。

 目まぐるしく動くナポリの左サイドに合わせるかのように、右サイドの選手たちも綿密に動く。サイドハーフのアントニオ・カンドレーバはしっかり下がってグーラムに当たり、ボランチのマティアス・ベシーノもサイドに寄ってハムシクに立ちはだかる。彼らの後ろではダニーロ・ダンブロージオが哨戒にあたり、個人技を繰り出そうとするインシーニエからスペースを消した。

 CFのドリース・メルテンスへの縦パスはロベルト・ガリアルディーニが徹底して切り、長友はカジェホンに密着した。前線も精力的にプレースを掛け、ジョルジーニョの組み立てを阻害した。

 そして時間の経過とともに、反撃にも成功。まるでナポリと腕競べをするかのようにダイレクトでのショートパスをつなぎ、相手ゴールへ迫った。

 二枚のボランチとトップ下のボルハ・バレーロは、ボールを奪うとコンパクトな間隔を保ちながらパス交換。そして攻撃的な分守備が薄くなるナポリの左サイド裏にはカンドレーバが攻め上がり、インテルは彼を中心に縦方向の速い攻撃で相手を突いた。前半終了間際に彼らは2度ビッグチャンスを作り、ナポリGKレイナを脅かしている。

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