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本田圭佑 6年前

本田圭佑、実況も叫ぶ圧巻の“ゴラッソ”2発。ついに本領発揮で地元ファンは大熱狂

text by 河治良幸 photo by Getty Images

実況アナウンサーが叫んだ「ケ・ゴラッソ!」

本田圭佑
本田圭佑が選んだのは斜め後ろにカットインしての左足ミドルシュートだった(写真はベラクルス戦のもの)【写真:Getty Images】

「ケ・ゴラッソ!(何というスーパーゴールだ!)」と現地放送の実況アナウンサーも叫ぶゴールはパチューカの聖地“エスタディオ・イダルゴ”のスタンドを熱狂させた。だが“ホンダ・ショー”はこれで終わりではなかった。

 前半終了間際の44分、エルナンデスのインターセプトを起点にグスマンがつなぎ、ハラが下がりながらボールを受けると、それを外から追い越した本田が右の相手最終ライン裏に抜け出す。最後は飛び出してきたGKビクトル・エルナンデスをあざ笑うような左足のキックでゴールに流し込んだ。

 後半には右サイドの浅い位置で囲まれてボールを奪われた危ないシーンもあったが、直後にはカウンターのチャンスにゴール前まで走り込み、逆サイドから進出したアンヘル・サガルによるチームの4点目を見届けた。さらに左の仕掛けから途中出場のヘルマン・カノが5点目を決める。直後に本田は大歓声に見送られベンチに退いた。

 この日は守備の仕事をこなしながら、右ウィングからあまり中に流れず、中盤の3人にパスワークを任せてチャンスメークや高い位置でアクセントをつけることに徹していた。そこから周囲とうまく絡んでフィニッシュに持ち込み、2つの見事なゴールを記録したことで、「右ワイドの本田」としての存在感をディエゴ・アロンソ監督やチームメート、そしてパチューカのファンに印象づけたことは間違いない。

 本田のビジョンにはインサイドでのプレーが明確にあるはずだが、与えられたポジションで結果を残したことで、ここからの継続的な起用を引き寄せたことは間違いない。1つ言えることは前回の日本代表メンバーから外れた数週間前より着実にメキシコの環境やチームにフィットし、コンディションを上げているということ。11月に欧州遠征を控える代表はもちろんリーガMX前期の終盤戦、さらにはクラブW杯でのパフォーマンスが楽しみになってきた。

(文:河治良幸)

【了】

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