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女川町長が応援参戦のコバルトーレJFL昇格! 震災乗り越え“復興のシンボル”が悲願達成

text by 編集部 photo by Getty Images

ボール
コバルトーレ女川がJFL昇格の資格を掴み取る【写真:Getty Images】

 26日に全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2017(通称:地域CL)の決勝ラウンド・三日目の試合が行われ、コバルトーレ女川はアミティエSC京都と対戦し1-0の勝利をおさめた。この結果、勝ち点7に積み上げた女川がJFL昇格の資格を手に入れている。

 J3リーグの一つ下に当たる4部相当のJFL。ここへの参入を目指し、登竜門となるのが地域CLだ。さらに一つ下の5部相当に当たる地域リーグは全国で9ブロックあり、各1位になった9つのチームと、全国社会人サッカー選手権大会で上位3位までに入ったチームを加えた合計12チームが地域CLに参加する。

 東北社会人サッカーリーグ1部で優勝の女川は、テゲバジャーロ宮崎、FC刈谷、十勝FCと同組のグループCに入った。2勝1敗の勝ち点6で2位となり、グループAとグループBを合わせた全グループの中で、成績上位の2位となったことでワイルドカードという枠に入り決勝ラウンドに進出した。

 決勝ラウンド一日目で女川はテゲバジャーロ宮崎と対戦し、2-2の末にPK戦で勝利をおさめた。PK戦勝利の場合は勝ち点2が与えられる。二日目はVONDS市原FCと対戦。1-1の末にまたもPK戦で勝利をおさめ、合計勝ち点4でグループ2位となった。

 そして最後の三日目は90分で勝利をおさめ2位以内が確定。上位2位までに与えられるJFL昇格の資格を手に入れている。最終的にJFL理事会で承認されれば2018年度からJFLに参入することになる。

 これまで女川は幾多の困難を乗り越えてきた。クラブの公式サイトによると、2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波で町は壊滅的な被害を受け、チームのクラブハウスと選手寮は全壊。震災後は活動停止していたものの女川の人々に支えられてチームの活動が再開したという。

 今回、鹿児島で行われた地域CLの1次ラウンド、そして千葉県市原市のゼットエーオリプリスタジアムで行われた決勝ラウンドには女川町長を務める須田善明氏が応援に参戦していた。

 須田善明コミュニケーションサイトでは女川の活躍ぶりを熱弁。もともと行ければ結果はどうあれいくつもりで宿だけは押さえていたのだが、直前まで行事日程が空くか判らず、奉祝祭の席でお話しすると皆さんが「行って応援してきてくれ!」と逆に激励をいただき、日曜日も私用があったのだが、お断りを入れての参戦となったとコメントしている。

 宮城県の女川町まちなか交流館などではパブリックビューイングも実施されており、町の人々と女川町長の後押しを受けて女川“復興のシンボル”が悲願のJFL昇格を果たした。

【了】

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