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本田圭佑 6年前

本田圭佑、2018年はゴールで開幕。代表復帰へ…パチューカの右サイドで不動の存在に

text by 河治良幸 photo by Getty Images

右サイドで不動の存在に。だが代表復帰に向け懸念も…

 パチューカにとって残念だったのは、前半アディショナルタイムに右サイドのつなぎを奪われたところから、ショートカウンターを受けてチリ代表FWニコラス・カスティージョのミドルシュートにより1点を返されてしまったこと。その原因となったのがオマール・ゴンサレスのマルティネスへのパス判断の遅れだったが、時間帯を考えればやや中寄りにポジションを取った本田に預けるなど、うまく安全なプレーを選択したかったところだ。この1点が影響してか、後半の主導権を完全にプーマスに奪われてしまった。

 本田のところにも前半以上に厳しいチェックが来る中で、パチューカのボールロストが増えると、セットプレーからヘスス・ガジャルドのゴールでプーマスに同点とされた。58分には本田がボールを失った直後の危険なファウルで警告をもらった。

 そこから一時はパチューカが攻撃の主導権を取り戻したが、76分には逆に高速カウンターから再びカスティージョに決められついに逆転を許す。そこからプーマスの粘り強いディフェンスを破り切れず、パチューカにとってホームで痛い敗戦となった。

 前半で2点をリードしながら前半アディショナルタイムに失点し、さらにセットプレーとカウンターから逆転される悪い流れで初戦を落としてしまったが、本田としては上々の今年初戦だったと言える。ただ、1つ気になるのが右ウィングでプレーする際のポジショニング。やはり日本代表で求められるそれより中に寄る時間が長いのだ。

 パチューカでの本田の起用法に関連するトピックとして、これまで10番を背負ってきたウルグアイ代表のホナタン・ウレタビスカヤがモンテレイに移籍し、アルゼンチン出身のメキシコ代表FWチャコ・ヒメネスが加わったことにも触れたい。

 ウレタビスカヤは前期リーグの終盤戦で左サイドに回っていたが、本来は右サイドで持ち味を発揮するタイプだ。この移籍により、前期リーグでは様々なポジションで使われた本田の右サイド起用が固定的になる可能性もある。

 “ハリルジャパン”のコンセプトと本田の特徴を合わせて考えれば[4-3-3]のインサイドハーフが適しているようにも見える。ただ、右サイドでもこうして継続的に起用される中で結果を残していけば、代表復帰の期待は高まる。経験豊富な選手でもあるだけに、いざ招集されてどう機能するかは代表の指揮官と話し合って解決するべき課題でもある。まずはパチューカで与えられた役割をしっかりこなし、出場時間と結果を残していくことが大事だろう。

(文:河治良幸)

【了】

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