イタリアサッカー界のスタジアム問題。自治体所有という壁。ユーベの一人勝ち脱却へ

2018年01月18日(Thu)10時39分配信

シリーズ:伝統国イタリアのスタジアム問題
text by 神尾光臣 photo Getty Images
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市の財政を圧迫するお荷物となったサンテリア

サルデーニャ・アレーナ外観
サルデーニャ・アレーナ外観【写真:神尾光臣】

 もっとも商店やレストランも有する近代的なスタジアムの建設計画は別にあって、サルデーニャ・アレーナはいわば仮住まい。しかしながら、陸上トラックに仮設スタンドを設置していたサンテリア時代とは見違えるほどに環境は良くなっていた。彼らにとって、きちんと集客のできるスタジアムを持つのは積年の課題だったのだ。

 旧ホームのサンテリアが完成したのは、カリアリがスクデットを獲得した年の1970年。当初はなんと6万人を収容する大型の多目的スタジアムとして建造されたのである。ところがその年の11月、最寄りにあった空軍の航空燃料貯蔵施設に通じる配管から漏れた燃料が原因で火災が発生。ダメージを受けた施設は20年後、イタリアW杯の時に大改修の対象となった。

 しかし改修に投じた費用が大幅の予算超過となった挙句、計画されていた屋根は一部しか建造を認められないなど中途半端な完成を見た。そしてこのサンテリアは、所有管理元のカリアリ市にとって市の財政を圧迫するお荷物となった。

 老朽化が過ぎてスタンドには立ち入り禁止区域なども出る中、クラブの負担で修繕を行いなんとか試合を回す。カリアリのマッシモ・チェッリーノ会長(当時)の興味はクラブ自前で新スタジアムを作る方向へと移り、彼らもまたサンテリアの手入れには消極的になっていった。

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