本田圭佑がアシストで示したトップ下の資質。日本代表の新たな“ソリューション”となるか

2018年01月22日(Mon)10時09分配信

text by 河治良幸 photo Getty Images
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本田が示したトップ下としての資質

 中盤でグスマンとエルナンデスが斜めの関係でパスを交換することにより生じたスペースに本田が流れ、そこに相手の注意を引きつけることでハラを裏に抜け出させたわけだが、絶妙なパスの前に見せた動きは“トップ下”における本田のスタイルを反映している。

 ピッチを動き回らず足もとでボールを受けて仕掛けや崩しを演出するよりも、前線、ボランチ、サイドの選手とのパスワークに絡める距離感を作りながら、同時にオフ・ザ・ボールの動きで相手のディフェンスを誘導して、少ないタッチで最後の味つけをするビジョンだ。

 本田というと強靭な体を生かしたボールキープをイメージしやすいが、それは主に守備から攻撃に切り替わった1つ目のプレー、つまりチームの攻撃を押し上げるべきシチュエーションで実行されているもの。引いた相手を崩しにかかるような局面では1タッチ、2タッチを駆使して、前のスペースが空けば自ら仕掛けてシュートに持ち込む意識が見られる。また、タッチラインを背にするサイドより相手のプレッシャーを四方から受けることになるインサイドの方が少ないタッチでのプレーを心がけているようだ。

 パチューカの従来の基本フォーメーションは[4-3-3]で、本田はこれまで主に右ウィングを担ってきたが、左利きのメキシコ代表MFエリック・グティエレスを負傷によって欠く状況でアロンソ監督は[4-2-3-1]を採用し、本田はそのトップ下を任された。クラブW杯では[4-3-3]のインサイドハーフを務めたが、ロボスBUAP戦のように中盤のポゼッションが2人のボランチで確保できる相手であれば、[4-2-3-1]の方が効率よくチャンスを生み出せるのは確かだろう。

 ただし次節は前期リーグ王者のティグレスが相手となる。うまくいっている形を崩さずに継続する可能性もあるが、よりプレッシャーが厳しい相手に対して中盤のポゼッションを確保するために[4-3-3]に戻すのか、あるいは堅守速攻を意識し、本田をより2トップに近い位置にするオプションの採用も考えられる。かつての本職だったトップ下で改めて自らの資質を示したことは、3月に欧州遠征を行う予定の日本代表での起用法に新たな“ソリューション”をもたらすかもしれない。

(文:河治良幸)

【了】

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