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F・トーレス、スペイン3部移籍か。自身の名を冠したスタジアムが新天地に?

text by 編集部 photo by Getty Images

トーレス
フェルナンド・トーレスは今季限りでアトレティコ・マドリー退団か【写真:Getty Images】

 アトレティコ・マドリーのFWフェルナンド・トーレスは、クラブの象徴でありながら、出場機会の確保に苦しんでいる。そして、今季限りでの退団も濃厚のようだ。スペイン紙『マルカ』などが伝えた。

 現地時間22日に行われるヨーロッパリーグ(EL)の決勝トーナメント1回戦2ndレグ・コペンハーゲン戦に向けた記者会見で、アトレティコのディエゴ・シメオネ監督がF・トーレスの去就に言及した。

 記者から「F・トーレスにもう1年残ってもらいたいか?」と問われたシメオネ監督は、はっきり「ノー」を突きつけた。この発言によってファンのアイドルが今季限りでアトレティコを離れることは決定的とみられている。

 今季のリーグ戦では16試合に出場して2ゴールを挙げているF・トーレスだが、出場時間はわずか451分間。ジエゴ・コスタ復帰後はこれまで以上に序列が下がってしまっていた。

 そこで「獲得」に名乗りを上げたのが、スペイン2部B(3部相当)のグループ1で首位に立つフエンラブラダである。今季のコパ・デル・レイでレアル・マドリーと引き分けるなど印象的なパフォーマンスを披露した小クラブは、公式ツイッターでシメオネ監督の記者会見動画を引用してF・トーレスにラブコールを送った。

「これらの宣言を見た後、我々はあなたに言いたいことがある。それは我々があなたを愛しているということだよ、トーレス」

 ジョークとも受け取られかねないツイートだったが、フエンラブラダにはF・トーレスの獲得を目指すだけの理由がある。まずアトレティコの下部組織で育った元スペイン代表FWは、「フエンラブラダ市」生まれなのだ。

 この街はマドリード近郊に位置し、アトレティコの旧本拠地ビセンテ・カルデロンから車で25分ほどの場所にある。すぐ近くにはレガネスやヘタフェなど1部クラブの本拠地もある。

 また、フエンラブラダのホームスタジアムの名前は「エスタディオ・フェルナンド・トーレス」なのである。2011年に開場したこのスタジアムは、文字通り地元出身の「フェルナンド・トーレス」の名前に因んで命名された。

 果たして3部クラブの熱意は33歳になった地元の英雄に届くのか。まだ2部昇格の可能性を十分に残しているが、元スペイン代表の肩書きを持つストライカーは下部リーグでのプレーを選ぶのか。そして「エスタディオ・フェルナンド・トーレス」でプレーする地元の英雄「フェルナンド・トーレス」を見られるのか。フエンラブラダの人々はその時を待ち望んでいるに違いない。

【了】

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