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なでしこジャパン、W杯出場権獲得へ。アジア杯連覇かけ7日に初戦…大会の見どころは?

text by 編集部 photo by Getty Images

なでしこジャパン
なでしこジャパンが再び世界一への挑戦権獲得に挑む。7日にアジカカップ初戦でベトナムと対戦【写真:Getty Images】

 なでしこジャパンは7日、ヨルダンの地で女子アジアカップ初戦・ベトナム戦(日本時間7日22時45分開始予定・テレビ朝日系列で生放送)に挑む。この大会は来年フランスで開催されるFIFA女子ワールドカップのアジア最終予選を兼ねており、日本女子サッカーの未来を占う重要な意味を持つ。

 アジアカップに出場するのは8ヶ国。4年前の前回大会覇者・日本をはじめ、同準優勝のオーストラリア、同3位の中国、開催国のヨルダンが予選免除で参加。さらにフィリピン、韓国、タイ、ベトナムが予選を勝ち抜いて出場権を手にした。

 これら8ヶ国は4ヶ国ずつ2つのグループに分けられ、まずグループリーグ3試合を戦う。そこで各グループ2位以上の4つのチームが決勝トーナメントに進出し、各グループ3位同士が5位・6位決定戦に回る。

 来年の女子ワールドカップでアジアに与えられた出場枠は5つあり、アジアカップで決勝トーナメントに進出した4ヶ国は自動的に世界一をかけた大会への切符を獲得。さらに5位・6位決定戦で勝利した国に最後の1枠が与えられる。

 アジアカップ出場の8ヶ国のうち5ヶ国がワールドカップに出場できるが、2011年に世界を制した日本にとって決して簡単なミッションではない。

 高倉麻子監督率いるなでしこジャパンは、オーストラリア、韓国、ベトナムと同居するグループBに振り分けられた。7日の初戦でベトナムと対戦した後、10日に韓国と、13日にオーストラリアと激突する。試合と試合の間はそれぞれ2日間しかなく、過密スケジュールとも戦わねばならない。

 それでも「なでしこジャパンとして恥ずかしくない試合を1試合1試合心を込めて戦い、まずはW杯出場を決め、目指すのは大会2連覇です」と指揮官は宣言した。

 グループリーグの対戦国は強敵ぞろいだ。第2戦で対戦する韓国は因縁のライバルというだけでなく、「(昨年12月の)EAFF E-1サッカー選手権のときとは全くチームの成熟度が変わってくる」と先月19日にアジアカップのなでしこジャパン招集メンバー発表会見で高倉監督も警戒心をあらわにした。

 キープレイヤーは、現在イングランドのチェルシー・レディースでプレーするチ・ソヨン。かつてINAC神戸レオネッサでもプレーした韓国の絶対的エースに対し「彼女1人でいろいろな局面を変えてしまう怖さがある」と高倉監督は分析する。日本はE-1で韓国に3-2で辛くも勝利を収めたが、その時チ・ソヨンは不在だった。決して気をぬくことのできない相手だ。

 さらにオーストラリアは高倉監督も「史上最強」と評価する充実ぶりを誇る。最新のFIFAランキングではアメリカ、イングランド、ドイツ、カナダ、フランスに次ぐ6位で、11位の日本を上回る。なでしこジャパンが無念の敗退に終わった2016年のリオデジャネイロ五輪予選で1-3、昨年7月の4ヶ国対抗戦でも2-4で敗れるなど直近の対戦成績でも分が悪い。

 そうした中で、なでしこジャパンはひとまずワールドカップ出場権を得られるグループ2位以内を目指すことになる。今回のアジアカップは女子サッカー界で強豪として知られる北朝鮮ですら出場できていないことを考えれば、決して侮れない相手ばかりということが理解できるだろう。

 まずは7日の初戦を白星で飾ることができるか。ベトナム女子代表も近年は進境著しく、難しい試合になることは必至。いきなり高倉麻子監督率いるチームの真価が問われる一戦となる。

 なでしこジャパンには2年ぶりに復帰したFW川澄奈穂美や、欧州でプレーするDF熊谷紗希ら7年前の世界一を経験したメンバーから、20歳前後の若手まで、様々な選手が名を連ねる。アジアカップは総力戦。再び世界一への挑戦権を手にするための戦いが始まる。

【なでしこジャパンのアジアカップ参戦メンバー一覧】

▽GK
1 池田咲紀子(浦和レッズレディース)
18 山下杏也加(日テレ・ベレーザ)
21 平尾知佳(アルビレックス新潟レディース)

▽DF
3 鮫島彩(INAC神戸レオネッサ)
6 有吉佐織(日テレ・ベレーザ)
2 宇津木瑠美(シアトル・レインFC/アメリカ)
4 熊谷紗希(リヨン/フランス)
17 高木ひかり(ノジマステラ神奈川相模原)
23 三宅史織(INAC神戸レオネッサ)
22 清水梨紗(日テレ・ベレーザ)
5 市瀬菜々(マイナビベガルタ仙台レディース)

▽MF
10 阪口夢穂(日テレ・ベレーザ)
7 中島依美(INAC神戸レオネッサ)
12 猶本光(浦和レッズレディース)
15 阪口萌乃(アルビレックス新潟レディース)
19 増矢理花(INAC神戸レオネッサ)
16 隅田凜(日テレ・ベレーザ)
14 長谷川唯(日テレ・ベレーザ)

▽FW
9 川澄奈穂美(シアトル・レインFC/アメリカ)
13 菅沢優衣香(浦和レッズレディース)
8 岩渕真奈(INAC神戸レオネッサ)
20 横山久美(1.FFCフランクフルト/ドイツ)
11 田中美南(日テレ・ベレーザ)

【了】

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