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支配率は無意味。レアルが示した“別の次元”。プレッシングは当たり前、つなぐのも当たり前

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

W杯、日本の対戦相手には全て…

 逆にマドリーは、前半44分にマルセロのゴールで同点とすると、後半開始からイスコと交代で入ったマルコ・アセンシオがルーカス・バスケスからのアシストによって同12分にカウンターからゴール。バスケスの前線からのプレスによってバイエルンの右サイドバック、ラフィーニャのミスを誘発した。

 さらに、現地時間24日に行われたリバプール対ローマにおいても、支配率49.2%のリバプールが5-2で勝利を収めた。この両チームは準々決勝でマンチェスター・シティとバルセロナという世界最高の支配力を持つチームを下している。

 リバプールをユルゲン・クロップ監督は、ドルトムント時代から「ゲーゲン・プレッシング」と呼ばれる強烈なプレッシングサッカーでポゼッションサッカーのチームを打ち破ってきた。

 また、スペインのアトレティコ・マドリーも形は異なるものの、強力なプレッシングサッカーによってポゼッションサッカーのチームを敗退に追い込んできた。

 そして、今シーズンのヨーロッパでの戦いを見ると、プレッシングは当たり前。ボールをつなぐのも当たり前。その上で、どれだけの武器を備えているかという部分が勝敗を分けている。

 今回の1stレグに関して言えば、リバプールにはモハメド・サラーという武器があり、マドリーにはバスケス、モドリッチ、クロースを筆頭とした献身性という武器があった。

 対して、日本代表は「しっかりボールをつないでいく日本らしいサッカー」を取り戻すために監督交代という決断に踏み切ったと説明されている。

 6月に控えたワールドカップ本大会で日本が激突するのはコロンビア、ポーランド、セネガル。この3か国全てに今回のチャンピオンズリーグ準決勝を戦っている選手が存在する。

(文:海老沢純一)

【了】

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