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市場価値は獲得時の20倍超に。CLバイエルン戦で決勝弾のレアルMFは「選ばれし者」

text by 編集部 photo by Getty Images

マルコ・アセンシオ
マルコ・アセンシオの成長が止まらない【写真:Getty Images】

 現地時間25日に行われたチャンピオンズリーグ準決勝1stレグで、レアル・マドリーがバイエルン・ミュンヘンを1-2で下した。

 ホームのバイエルンが22分にヨシュア・キミッヒのゴールで先制したものの、マドリーは43分にマルセロの強烈な一発で追いつく。そして、敵地で決勝点を挙げたのは後半開始からイスコに代わって投入されたマルコ・アセンシオだった。

 57分、カウンターの流れでルカス・バスケスからのパスを受けた22歳のスペイン人MFは、バイエルンのGKスベン・ウルライヒとの1対1となり、その動きを見極めて冷静に左足のシュートを沈めた。このゴールはマドリーの決勝進出を大きく近づけることになるかもしれない。

 そして、飛ぶ鳥を落とす勢いのアセンシオは、マドリー加入2年目にして8つ目のタイトル獲得に迫っている。彼自身の価値もうなぎ上りだ。スペイン『マルカ』紙は、その成り上りぶりについて「冗談ではない:アセンシオ獲得に費やしたのはたった350万ユーロだった」と見出しを打ち、「選ばれし者」として驚きを持って伝えている。

 この報道の通り、マドリーがマジョルカからアセンシオを引き抜いた2015年夏当時の移籍金は、選手情報データベースサイト『transfermarkt』によれば、350万ユーロ(約4億6000万円)だった。その直後に同選手はエスパニョールへ期限付き移籍し、トップリーグで1年間レギュラーとして活躍したことでマドリーへ復帰する権利を勝ち取る。

 保有元であるマドリーに復帰した2016年夏当時の市場価値は800万ユーロ(約10億円)。1人の有望な若手選手に過ぎないと思われていた。だが、欧州王者での2年目を終えようとしている現在、市場価値はなんと7500万ユーロ(約100億円)にまで上昇している。

 今季は絶対的なレギュラーではないものの、リーガエスパニョーラでは28試合に出場して6ゴール3アシストを挙げている。これはエスパニョール時代の2015/16シーズンに記録した4ゴール13アシストに匹敵する数字で、出場時間そのものは当時よりも短い。

 マドリー加入時の350万ユーロから、日本円にして100億円に近づく7500万ユーロへ。アセンシオの市場価値は3年で約22倍の伸びを記録している。類い稀な左足の技術を持つスペインの至宝の勢いが止まらない。

【了】

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