マンUで愛されたキャリック。歴史的名MFの足跡と未来への希望【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】

2018年06月04日(Mon)10時00分配信

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断
text by 粕谷秀樹 photo Getty Images
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マンU再建の切り札に

マイケル・キャリック
マンU再建の切り札としてキャリックをしのぐ人材はいないと言ってもいい【写真:Getty Images】

 サー・アレックス退任後、ユナイテッドは試行錯誤を繰り返している。わずか7カ月で監督の任を解かれたデイビッド・モイーズは、その後もレアル・ソシエダ、サンダーランド、ウェストハムと3チーム連続の解雇。〈無能無策〉に拍車がかかっている。

 ファンハールはポゼッションにこだわりすぎ、モウリーニョは堅実……いや、臆病と表現すべきか。失点を極力控えるだけのゲームプランでは、マンチェスター・シティとリヴァプールに勝てない。最先端のポジショナルプレーを採り入れず、選手個々の能力に頼ったチーム創りも気になるところだ。選択肢は柔軟であるべきだ。サー・アレックスのDNAも必要だ。

 キャリックは直近四代の監督のもとで働き、それぞれの個性を感じ取ってきた。主力として、キャプテンとして、酸いも甘いも味わってきた。いわば、ユナイテッドの何たるかを知る男である。

 スコールズはモウリーニョとそりが合わず、ベッカムはプレミアリーグと距離を置き、ギグスはモラルに問題がある。ユナイテッド再建の切り札として、キャリックをしのぐ人材は見当たらない。

「12年もの長い間、熱くサポートしていただきまして、ありがとうございます。シーズン終了後、私の役割は変わりますが、新しいチャレンジの場を設けてくださったモウリーニョ監督に感謝いたします。いま、こうして話していることを、サー・アレックスはどこかでご覧になっているかもしれません。一日も早く体調が回復されると、強く信じております」

 最終節のワトフォード戦終了後、去り際の挨拶はキャリックらしく控えめで、人間味にあふれていた。決してスーパースターではないが、ユナイテッドを愛するすべての者が長く記憶にとどめる歴史的な名MF。ありがとう、お疲れさまでした。

(文:粕谷秀樹)

【了】

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