マンUで愛されたキャリック。歴史的名MFの足跡と未来への希望【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】

マンチェスター・ユナイテッドを支えたMFマイケル・キャリックが18/19シーズンを最後に現役を引退した。スーパースターではないが、実力は天下一品。歴史の名を残す名MFの足跡と未来への期待を綴る。(文:粕谷秀樹)

2018年06月04日(Mon)10時00分配信

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断
text by 粕谷秀樹 photo Getty Images
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時代に翻弄された屈指の実力者

マイケル・キャリック
マンチェスター・ユナイテッドのマイケル・キャリック【写真:Getty Images】

「もう少し早く、あるいは遅く生まれていたら、より高く評価されていたかもしれない」

「異なるチームだったり、タイプの違うパートナーと組んでいたりしたら、周囲の見る目も変わっていただろう。とにかく、偉大な選手だよ」

 バルセロナで一世を風靡したチャビ・エルナンデスが絶賛するほどの名手が、惜しまれながらユニフォームを脱いだ。

 マイケル・キャリック──。

 もう少し早く生まれていたら、ポール・スコールズ、ライアン・ギグス、デイビド・ベッカムに並び称され、マンチェスター・ユナイテッドの黄金期にその名を刻んでいただろう。もう少し遅く生まれていたら、今シーズンもフルシーズン闘えるフィットネスを備えていたら、ポール・ポグバの才能を開放し、ネマニャ・マティッチの負担も軽減していたに違いない。

 あと5~6歳若く、マンチェスター・シティ、もしくはリヴァプールでプレーしていれば、両チームの総得点が20ゴールほどプラスされていた可能性も十分にある。

 イングランド代表でも同様だ。スティーブン・ジェラード、ポール・ランバートと同世代だったために日の目を見ず、代表キャップ数はわずか34に終わっている。

 ただ、歴代の監督がジェラードとランパードの共存にこだわるあまり、キャリックを軽視するという致命的な過ちを続けてきたからであり、断じて実力不足ではない。精度の高いロングフィードだけではなく、守備戦術の理解度も高いキャリックを中盤の軸に据えておけば、イングランドのゲームプランはより明確になっていた、と考えられる。

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