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代表 6年前

もはや止められぬベルギー。怪物・ルカクの何がすごいのか? その破壊力生む瞬時の判断力【ロシアW杯】

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ルカクは理想のCF

ロメル・ルカク
ルカクはまさに、どのチームにとっても置いておきたい理想のCFだ【写真:Getty Images】

 だがベルギーは強い。攻撃陣の圧倒的な破壊力は見事なものがある。

 その中で特筆すべきはルカクの貢献度である。パナマ戦でも2ゴール、そしてチュニジアとのゲームでも2ゴールを挙げた背番号9は、クリスティアーノ・ロナウドに並ぶ4ゴールで得点ランキング1位タイに位置している。

 そんなルカクはチュニジア戦で、まさにCFのお手本とも言うべき働きぶりをみせた。

 まずはチームの2点目のシーン。メルテンスがボールを奪い一気にカウンターを仕掛けると、ルカクは一度、縦に行く素振りをみせた。しかしDFの目線がボールホルダーに向いているとみた背番号9はその瞬間にDFから離れる動きをみせ、よりシュートに持ち込みやすい位置に移動したのである。その後メルテンスからボールが渡り、DFが慌てて寄せに行くのだが、距離が離れている分、対応が遅れた。そしてルカクは冷静に相手の股の下を通してゴールを決めたのである。

 ルカクの的確な判断が光ったシーンはこれだけではない。自身の2点目もまた、素晴らしい動き出しからの得点だった。

 ボールを奪ったトマ・ムニエがペナルティアーク付近に侵入した場面。ルカクは、背番号15の真横でボールを受けようと動いていたが、ムニエとの距離が近づき、パスが貰える状況ではないと見るや、斜め右方向へ走り、ムニエの前にポジションを取ったのである。そしてパスを受けたルカクはそのまま右足でボールを少し浮かし、この試合2ゴール目を決めた。

 相手DFはルカクが縦に走ると予想していたのだろう。だが、侵入コースを消そうとしたチュニジアDFの一人が下がりすぎてしまい、オフサイドラインがやや深めになってしまった。それを背番号9は逆手に取り、斜めに動いてオフサイドにかからぬようポジショニングをし、ムニエからのパスを引き出した。相手との面白い駆け引きが見受けられた末、ルカクの判断が一枚上回ったという場面である。

 こういった判断を瞬時に、そしてしなやかにこなしてしまうルカクはまさに、世界最高のストライカーだ。身長190cm、体重94kgという化け物のような体格を持ちながら足も速い。こんな理想的なCFは他にいないのではないだろうか。

(文:小澤祐作)

【了】

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