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代表 6年前

“黄金世代”クロアチア、4強躍進の要因。強さの秘訣は西野監督も「重視したもの」【ロシアW杯】

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

メッシがクロアチアにいれば…

 そして101分、CKからドマゴイ・ヴィダの得点でクロアチアが逆転。試合はこのまま終わるかと思われた115分、なんとFKからマリオ・フェルナンデスのゴールでロシアが同点に追いついた。まさに一瞬たりとも目が離せない大接戦となった。

 2-2のまま勝負はPK戦に突入。足を痛めながらもファインセーブを連発したダニエル・スバシッチの活躍もあり、最終的にはクロアチアが4-3でこれを制して20年ぶりのベスト4入りを果たしたのである。

 データサイト『Who Scored』による試合後のスタッツではロシアがシュート数13本、クロアチアは同18本放っている。支配率は35%:65%、パス本数は400本:730本、パス成功率も65%:82%と試合を通してほとんどの面でクロアチアが上回っていた。

 ボールを支配しながら確実にフィニッシュまで持ち込むことができる。これは今のクロアチアの象徴的な長所ではないか。ルカ・モドリッチ、イバン・ラキティッチのいる中盤は土台がしっかりしているため、攻撃の組み立てや守備面での貢献度は非常に高い。前線高い位置にポジションを取る選手からすれば、ミドルサードから確実に前へボールを繋げる役目を果たせる人物がいるのは大きい。

 リオネル・メッシがクロアチア代表にいれば、よりゴールに近いエリアで仕事をさせてもらえただろう。アルゼンチンにおけるメッシの試合全体を作る役割も、モドリッチやラキティッチがいれば軽減されるはず。そしてあれだけ下がった位置でプレーすることもなかったはずだ。中盤のレベルが高いというのはクロアチア最大の強さであることは間違いない。

 そのヴァトレニにはもう一つ忘れてはならない強さの秘訣がある。

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